虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

憲法記念日(新聞から)

2014-05-03 | 新聞・テレビから
朝日、「憲法を考える」という特集を、1面、2面、3面に。
「改憲の旗を振る安部首相の論理や狙いを探る」として、今日の特集は安部首相が主役だ。

1面は、安部首相の決意の固さとこれまでの経緯を語り、改憲は初当選以来の安部の宿願だと、安部・政権幹部の事情通が記事にする。

2面は、安部首相が改憲につき進む理由、狙いを「憲法観」「前文と9条」「改正手法」の3つに分けて書く。

ここでは、安部首相が語った言葉をご丁寧にゴジックにして示し、その内容は12カ所もある。それぞれ、見出しもつけられてあり、「憲法観」では、「日本という国の形、理想と未来を語る」、「前文と9条」では、「安全、命を他国に委ねていいか」、「改正手続」では、「国民投票の機会、国会に閉じ込められぬ」。

これだけ安部首相の考えをわかりやすく丁寧に紹介してくれて、きっと安部さんは朝日に感謝しているはずだ。

朝日は、親切にも、その記事の下には、安部さんのブレーン八木秀二、衛藤首相補佐官、桜井よし子氏、3人の改憲への思い、文を顔写真入りで紹介する。

1面、2面を読んだ読者は、一瞬、これは、産経か読売新聞か?と錯覚するだろう。

改憲側の狙いを紹介するのはいい。しかし、ただ紹介するだけでは、改憲側の広報になってしまう。狙いを紹介してのち、それぞれの項目について新聞社の鋭い分析、反論が欠かせない。

しかし、3面では、大学教授の杉田敦と長谷部恭男の対談だ。これほど、安部首相の狙いを紹介して、まとめは、まさか大学教授の対談で終わりにするとは思えない。次回ではきっと新聞社の意見、改憲反対の論客の意見をのせるのだろう。

社説は、集団的自衛権を解釈で容認しようとする政府への批判だが、意見に力がなく腰がひけている。

「北朝鮮の核開発や中国の軍備増強などで、東アジアの安全保障環境は厳しくなっている。いまの議論が、日本の安全を確実にしたいという思いからきていることはわかる」などと書く始末。
「わかる」などと言ってしまえばおしまいだぜ。

どうしても集団的自衛権を認めたいならば、国民投票で憲法改正をしたらいい、とも書く。これは、毎日新聞も同じ意見ではなかったのか。改憲側の思うつぼではないのか。

社説は、政府の乱暴な動きにたいして、「なぜ、こんな乱暴なことがまかり通ろうとしているのか」と書き、「真っ先に目につくのは国会の無力だ。論争によって問題点を明らかにし、世論を喚起する。この役割が果たせていない」と書く。

ちがう、ちがう。書きながらだんだん腹がたってきた。真っ先にダメになっているのは、新聞、メディアではないか!

北海道新聞や琉球新報の社説の方が立派だ。
大新聞社はつぶれるかもわからないが、地方新聞はまだ生き残れる。