虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

だから購読者が減る

2012-02-03 | 新聞・テレビから
朝日の耕論。今日は「首長は教育にどう関わるか」で、大阪の教育基本条例のことなのだろう。首長(政治家)が教育の目標を考え、教育に介入するなんて、文部科学省でさえ、違法ではないか、と指摘しているのに、朝日はこの問題を正面から論じたことはないような気がする。ただ、いつも「政治と教育に一線を画してきた戦後の教育制度を変えることにつながりかねないため、文部科学省が違法性を指摘するなど議論を呼んでいる」などと人ごとのような書き方。

で、この耕論に登場させた人は、教育委員の陰山英男、元大阪府顧問の藤原和博、高校校長の荒瀬克己の3人。この人選はなんだ!。耕論するなら、なぜ、先日、東京地裁で敗訴になった元三鷹高校校長土肥信雄氏あたりを出さない。陰山氏も藤原氏も、教育基本条例賛成の立場、あとの一人は関係のない議論で、耕論にもならない。こんな記事ばかりをのせるから、購読者が減る。

朝日は、もはや「首長(政治家)が教育に関わることの是非は問わないのかもしれない。今日の題は「首長は教育にどう関わるか」だから、首長が教育に関わるのは当然の前提なのか。

それにしても、大阪の教育基本条例についての反対の声が少ないのは驚く。教育学者、政治学者、歴史学者からの声がない。社民党や共産党からの声も聞こえない(ただ、目に耳にできないだけなのだろうか)。いや、教師の声、「教え子を戦場に送るな」とかつて主張した教師の組合からの声も聞こえてこない。報道されてないだけなのだろうか。大阪の教育委員たちも、あまりにも反対論が少ないので、橋本氏にすりよったのだろう。

保護者、市民はどうなのか。学校で、豊かな感性を身につけ、我が子が自由に自分の人格を伸ばしてもらいたい、などとはおそらくまったく考えてないのかも。ただ、我が子の学力が少しでも上がり、人よりも少しでもいい学校に進学できたらいいのかもしれない。その点、橋下氏は、塾代も援助するなんてことを言っているから、橋下氏に期待しているのだろうか。

教育基本条例について、ほとんどどこからも(学者からもメデイアからも、国民からも)、強い反論が起きない、ということと、あの大震災や原発事故の対応についての、政府や東電、原子力関係者への批判が大きな勢力をもたないこと、税と社会保障の一体改革についても、いや、ほかのあらゆることに一方的な言説だけが横行していることと似ていると思う。

気がつくと、すでにファシズムの世界か?