虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

さらば日米同盟

2010-06-27 | 読書
今朝の新聞に広告が出ていた。講談社の他の本十数冊と共に。「さらば日米同盟」はタバコ一箱くらいのスペースで出ていた。ともあれ、一応、新聞広告に出てよかった。
安心した。わたしも手に入れた。各本屋さんでそれぞれ何冊くらい置いているか、目のつくところに置いているか、気になるが。

本来、こういう本は、新聞社が出すべきなのだ。次に、学者、ジャーナリストが。そして、社民党、共産党が。かつてなら、各出版社は競って出したはずだ。しかし、今は、だれも出さない。あえて、元外交官の天木直人が出した。日米同盟について国民的議論をしてほしい、ということが出した目的だ。先の普天間問題で、新聞は国民的議論が必要だ、といいながら、そういう企画をするようすはない。消費税増税ばかりだ(消費税増税になったら、まず、新聞の購読を止める、ということを新聞社はわかってるのか?)。

著者は、日米同盟からおさらばするなら、それに代わる防衛政策を考えなくてはいけないと、平和国家を目指す自主防衛政策を提示している。

論客が多く、デイベートばやりの昨今だから、責任のある言論のためそうしたのだろうが、しかし、わたしなどは、そこまでする必要はないと思う。日米軍事同盟はいやだ。戦争に自衛隊員が参加することはごめんだ。それだけでいいと思う。

戦争に反対するのに、理屈なんかいらねえや。生命を尊重する立場から、戦争はだめだ。それが、太平洋で、南洋の諸島で、300万人以上の人が無残に殺された人々の遺言ではないか、と思うのだ。理屈なんかいらねえや。心情から人は反対できる。国際関係を理解しないと、戦争に反対できない、ということはない。まあ、これは一般国民の立場で、言論人としてはそういうわけにもいくまい。

著者は憲法9条新党が必要だ、と説く。社民、共産党が連立できず、また、本気でやる気がないのなら必要だ、とわたしも思う。

本の中で、筆者はしばらくは憲法改正はないだろう、と書いていたが、そうであればよいが、わたしは心配だ。財政再建、消費税増税、年金、問題が山積する中では、憲法改正に手をつけることはない(日米同盟深化したら、その必要性もなくなる)ということだろうが、どさくさにまぎれて、何をするかわかったもんじゃないから。

多くの人に読まれてほしい本だ。この本を黙殺させてはならない。