虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

アンジェイ・ワイダ ETV特集

2008-06-15 | 映画・テレビ
新聞の番組欄を見ると、今日、NHK教育で午後10時からETV特集として、「アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを取り続けた男」というのをやるらしい。
ワイダはてっきり死んだと思っていたが、まだ健在なのだ。昨年は、「カチン」というソビエトによる捕虜虐殺事件をテーマにした映画を完成したらしい。見てみよう。

「愛の讃歌」

2008-06-15 | 映画・テレビ
エディット・ピアフの生涯を描いた「愛の讃歌」を見た(レンタル屋で借りた)。
久しぶりのフランス映画だ。父親は大道芸人、母親も道で歌を歌って日銭をかせぐ貧しい環境で育つ。

パリといえば、ファッション、芸術の都で、ちょっと庶民には縁遠い上流階級の匂いもあるけど、パリは労働者、貧しい庶民の町でもあるのだ。「レ・ミゼラブル」もしかり、ロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」でもパリの安アパートに住む貧しい人々が出てくる。「フランス革命」「パリ・コミューン」の町なのだ。労働者の町だ。かつて日本人はフランスが好きだった。ベルサイユ宮殿とか高級なファッションではなくて、貧しいが生き生きとしたパリの庶民の姿に似たものを感じていたのではないか。ピアフが少女のころ、大道で父親に歌えといわれてはじめて歌うのが、ワルシャワ労働歌。パリはそんな町なのだ。

エディット・ピアフの本当の顔は見たことはないのだけど、映画の役者はうまい。
首を前につきだし、猫背のようなかっこう。この姿勢の悪さは、越路吹雪の独特の姿を思い出した。越路吹雪は、ピアフをきっと尊敬していたのだろうと思う。

「愛の讃歌」、何度も聞いていたが、歌詞はピアフ自身が作ったそうで、この歌詞がすごい。いつも耳にしていた日本語の歌詞とはちがう。残念ながら、映画では、3番の最後の歌詞だけで、全部は歌ってくれなかったと思う。

青空がわたしたちの上に落ちてくるかもしれない。
大地が崩れ去るかもしれない。
そんなことはどうでもいいの。
世の中のことなんかどうでもいい。

とか、

髪を金髪に染めてもいい。
月を奪りにいってもいい。
大金を盗みにいってもいい。
もし、あなたがそうしろというなら
祖国を売ってもいい。
友達を捨ててもいい。
愚かだと笑われてもいい。
わたしは、何でもするわ。
あなたがそうしろというなら。

この歌詞の方がピアフに合うな。

ところで、少女のピアフがほしそうに眺めていた人形は日本人形に見えたのだが、ちがうのかな?