らんかみち

童話から老話まで

スーパー・シッチを悼む

2011年10月24日 | 釣り船とバイク
 月曜日って、たいがい憂鬱なものだけど、いつにもまして憂鬱だったのは叔母を病院に連れて行って手術してもらったからではありません。オートバイの世界選手権最高峰であるMotoGPのレース中にアクシデントがあり、有力なライダーであったマルコ・シモンチェリ選手が亡くなったからです。

 チャンピオン候補と目されていたダニ・ペドロサ選手を転倒させて大怪我を負わせ、「危険なライダー」と警告を受けたほどアグレッシブなライディングスタイルゆえ、ファンも多かった。
 母国イタリアでCMに引っ張りだこだったのは、陽気で少年のように純真なキャラだったから。実際24歳という若さだったんです。

 シモンチェリ選手の母親がたった一言、「マルコのために泣かないで下さい、息子は皆さんが泣いているのを見たがらないでしょうから」と、衆目の中で気丈に振る舞っていたそうです。
 親族の悲しみは察するに余りあるけど、レーサーたちだって各々悲しみにうちひしがれているはず。ペドロサ選手が地元スペイン紙から「マルコのことを許す日が来るのか」と聞かれ答えをはぐらかしたのは、ほんの数週間前のこと。今じゃ許すことすら叶わぬペドロサ選手も辛かろうて。

 ぼくにとってもバイク業界にとっても、なんとも沈鬱な週明けとなりました。「あの世で鬼でもブッチ切れ!」と、どこかで聞いた台詞を思い出しながら、「スーパー・シッチ」と呼ばれて愛された彼の冥福を祈りたいと思います。