らんかみち

童話から老話まで

胸を張って生きろって言われても

2013年10月28日 | 暮らしの落とし穴


「胸を張って生活しましょう」と、執刀医=主治医。うれしいこと言うてくれるじゃないの。時速5キロという低速、というか止まっているに近いシチュエーションで転ぶ失態に、世間を憚って生きていかねばならないと卑屈になっていたからね。
 のみならず、陶芸で椎間板ヘルニアを患ってこのかた、どうしても腰をかばうような姿勢になりがちで、猫背に拍車がかかっていた気がする。目には見えない重い十字架を背負って生きて来た気がする。

「いえ、そういった精神論ではなく、医学的に胸を張って生活して下さいという意味です」
 あらら、人間としての生き様を諭されているのかと思ったら、猫背は鎖骨に悪いという理由なんだとか。
「意識付けの意味もあってバンドを装着して生活して下さい。2週間くらいです」
 そういうわけでリュックサックの袋が無いようなバンドをされた。なんだか、遍路道を歩き始めたときに、知らない爺さんからリュックの背負い方を指導されたのを思い出すなぁ。

 いずれにしても、今の生活を続けることはできん、一度リセットする必要があるんじゃないか。そんな危機感を持っていたのでね、ちょうど良い転機と前向きに考えたらバンドで締められる苦しさも半減するかな。などと前向きに取り組んではいるけど、胸を張って生きるって、結構苦しいよ。