らんかみち

童話から老話まで

田舎を回すシステム作り

2012年12月03日 | 暮らしの落とし穴
 庭で採れたものだ、といって友人が万願寺唐辛子のようなものをくれた。いったい何かと尋ねたけれど、分からないと。もとより彼には野菜を栽培しているという意識はない。ホームセンターで枯れかけて商品価値をなくした野菜や花の苗を見て、これらのポットをどうするのかと店長に聞いたら、業者に引き取ってもらうとのこと。じゃあオレが引き取ってもかまわないわけだね。

 当初は庭に土を入れるために始めた行為だったが、しばらくすると枯れかけていた苗が生きついて花を咲かせている。これを数年続けた庭は正に百花繚乱となり、誠に節操のない様相を呈して楽しい。難点といえば、実を付けたものの名前が分からないだけでなく、食えるかどうかすら不明だということ。
 あんたが食って何ともなければオレも食うよ。みたいなことを言われて食ってみたところ、市販されている万願寺の出来損ないと思われたが、悪くはない。

 指などくわえて物欲しげに知り合いの畑をローテションしていったら、野菜を買わなくても一年間過ごせるんじゃないかと思う。どっちみち腐らせてしまうんだから、持って行け持って行けと勧められて山のように野菜をいただく。自分だけでは食べきれないからご近所にお裾分けすると、いつの日にか魚になったり猪肉になって帰ってきたりする。これって、もしかしたら凄いことなんじゃなかろうか。

 魚を釣る人は、釣れすぎて困ることもある。猪肉も冷凍はできるわけだけど、回ってくるときは一気に来て冷凍庫を占拠することもある。困るんだよねぇ、こういうのって。まんじゅうなんてほとんど口にしないぼくだから、本当にほしがっている人にあげようと思うけど……。
 もしも余って困っている人と、欲しくて探している人との橋渡しをするシステムがあれば無駄も省けるし、何よりみんながハッピーになれそうな気がする。そのシステム作りを協力隊の連中に託そうと考えているんだけど、彼らは彼らでやりたいことがあるみたいだし、なかなか難しい。