らんかみち

童話から老話まで

ロクロ腰を患ってメチコバール

2009年11月02日 | 暮らしの落とし穴
「下手な按摩の筋違い」は、思いのほか重症だったかしれません。翌々日になって膝に力が入らない! もともと大怪我してパックリ開けて手術を受けた膝で、今もエチボンドという紐が膝の骨に埋まったまま。もしかして紐のやつが悪さしてるのか? 一瞬は思ったものの「下手な按摩の筋違い」の説得力に軍配があがりました。
 
 近所の整形医院を受診したところ、若い女医さんが「良く分からないので院長に聞いてみます」と、往診に出ている院長を呼び出したけど繋がらず、午後の診療時間にもう一度来るように言われました。
 いつだったか大手家電販売店で「あなたに分からないなら、分かる人を呼んできてよ」と、オーブンレンジ「ヘルシア」の原理をめぐって苦情を述べたことがあります。分からないことを分からないと告白されるのは、未熟さを悟られまいと「家庭の医学」に書いてあるような話を延々とされるよりは、むしろ安心しますよね。
 
「ロクロ腰じゃね」と院長先生。午後の診療に行くや、優先的に診察していただいて出たのがこの診断です。
「あんたこの前、自分でロクロ指いうとったでしょ、ロクロで腰の神経を傷めたんじゃね」
 自分でしでかした下手な按摩のせいじゃなく、ロクロ腰でした。確かにロクロは腰を痛めます。昨日のNHKの番組で細川護煕さんが陶芸家として登場されてましたが、あの方のロクロの腕前はぼくと大して変わらないかも。だってテレビに映るなら己が腕前をひけらかしたくならないですか、にしては控えめな映像だった。
 いやそんなこと言いたいんじゃなく、ロクロを高い位置に据えて立って挽いていたのに驚いたんです。ぼくも細川さんも目指すのは国宝「喜左衛門」井戸茶碗。なるほど、あの難しい形を確認するのに立ってなら腰を傷める心配はない、膝を折ればいいだけです。
 
 今は歩くのも走るのも不都合はないんですが、膝から下の痺れを訴えたら院長先生は「ビタミンB12だけどね」と、メチコバールという薬を処方してくれました。腰のMRIを撮影するまでの気休めみたいな薬だけど、効くんだぞぅ、と自己暗示をかけながら飲むのです。
 ああそれにしても今日の暴風で蕎麦ちゃんが倒れてる。そればかりか実が入り初始めてもう黒くなっている。刈り取るタイミングが分からない!