らんかみち

童話から老話まで

童話仲間から作品が送られてきて

2009年11月11日 | 童話
 近所に住むおせっかいな叔母さんが「彼女からラブレターが来とるぞ」と、わざわざうちの郵便受けをかき回して持ってきてくれました。自分の家も他所の家も区別がつかん傍若無人ぶりは上の姉と良く似て、うちの家系かもしれません。
 おっと、悪口言うてたらその姉から荷物が届くじゃないですか。中身はぼくが依頼しておいた「白みつ」で、これで蕎麦つゆができるぞ、ありがたいありがたい。
 残りは母宛の品なので渡したんですが、古新聞を丸めたクッションを取り出せど取り出せど、ブツはなかなか出てきません。「いっつも、こがなんじゃ!」と、母は慣れた調子で箱の底の方から靴下一足を見つけました。
 
 姉の奇行を弁護するつもりはありませんが、彼女は非常に忙しいのです。専業主婦としての顔を持つ一方で、「弘法大師すなわち空海は、イエス・キリストの高弟といわれる12使徒の一人、聖ヨハネの生まれ変わりである」とする自説の検証に余念がないからです。
 そんな見果てぬ夢のような研究のかたわら、誕生したばかりの孫娘を見て「朝青龍の分身である」と説いて物議を醸したのは三年前のこと。このたびは次女が生まれるなり、「寅さん、こと渥美清の生まれ変りである」と主張してはばかりません。
 女優の蒼井優さんに良く似た美人の嫁さんには無慈悲な愚説ですが、送られてきた「寅さん報告書」に添付された次女の写真を見て、なるほど、寅さんねぇ……と妙に納得してしまったことが悔やまれます。
 
 それはさておき、「彼女から送られてきたラブレター」とは童話仲間の作品で、次の講座のときに合評するんですが、既に同人誌に掲載された秀作なんです。立派な書き手なので、ぼくはこの方の作風を参考に書かせていただきこそするものの、目標ではありません。彼女にしたら、そんなぼくの意見を真に受けるほどケツの青い駆け出しじゃないわけです。
 
 とはいっても合評の基本、「作品をより良きものにするために、慈しみを持って惜しみなく、作品の裏側にまで深く鋭く、ドラスティックに切って捨て、さりとて反撃に遭ったら手のひら返して愛想良く」をもって根掘り葉掘り読ませていただこうと思ってます。(一度は読んだけど、難解で……)