らんかみち

童話から老話まで

未熟な店員さんに小市民はストレス

2008年03月05日 | 暮らしの落とし穴
 電気屋さんの店内をうろうろしていて、ちょいとものをたずねようと声をかけたら、
「え? オレ店員と違うしぃ」などと答えが返ってきて恥ずかしい思いをしたことも一度や二度ではありません。のみならず、昔はぼく自身が店員と間違われ、しょっちゅう声をかけられたものです。
 ところが最近はそんなことも無くなり、そのかわり店員さんから声をかけられる回数が増えたように思います。きっと胡散臭い男が不審な挙動をしているぞ、と警戒しての声かけ運動じゃないでしょうか。
 
 事の真偽はさておき、声をかけてくるのは良いけど、ちゃんと答えられるのかい? とこちらが身構えることも少なくありません。先日もY田電気のパソコンパーツ売り場を物色していたら、早速店員のお兄ちゃんが飛んできて、
「いらっしゃいませ~、何かお探しでしょうか?」
「ん、そうだね、これこれこんな物は置いてるかい?」
 そういうと、店員さんは一通り陳列棚を見回して、
「申し訳ありません、そういうのは当店には置いてません」
といわれました。
 ですがこんな風にすんなりと回答が返ってきたときは置いている可能性が高いようです。きっと未熟な店員さんは、分からないことから一刻も早く開放されたくて、ネガティブな答えを選択して逃げて行くんじゃないでしょうか。
 
 このときもやぱりそうで、後で自力で探したら、あの店員さんの目の前に吊るしてあったじゃないですか。昔のぼくだったらその商品を手に取り、レジへ行く前に、
「ほらこれだよ、置いてるやんか」
と、さっきの店員さんを探して捕まえた挙句、勝ち誇りつつ啓蒙してあげたものですが、最近はそんないやみなことするのは、いかにも小市民らしく思えるようになってやめました。そのかわりといってはナンですが、静かにその店を後にして、同じ物を別の店で探すことにしてるのです。

つづく