小樽の西辻恵三さんは、札幌での個展を近年は毎年開いています。
国展と全道展を退会したことも関係あるのか、以前よりも自由さが画面から感じられるような気がします。
冒頭画像は、モノトーンの絵が集まった一角。
左端は自信作の「まる」。題のとおり、まるい形が連なり、緊張感と闊達さとがふしぎな共存を見せている1枚。
その隣は「cross」。
「象」と題した作が何点かあり、白と黒の対比の鮮やかさが、書道の墨象作品を連想させます。
会場に入り向かって右側の壁面には「滴」と題した連作5点。
ドリッピングや垂らし込みの技法をオールオーバーに展開させた作品です。
この画面からは、米国に生まれ、戦後の世界の美術界を席巻した抽象表現主義の代表的画家、ジャクソン・ポロックを思わないわけにはいかないのですが
「まず自分が面白いと思ってやりました。面白い・面白くないというのは、大切な基準だと思います」
と西辻さん。
あまり計画的になりすぎないよう、偶然性を引き出すことを狙った連作ともいえそうです。
筆者は、この「象」2点が好みでした。
茫漠とした灰色の濃淡が画面を覆い、ほとんど何も描いていないようでいて、マチエールの違いが豊かな世界を展開しています。
とくに左側の作品は、上部に、不思議と平滑で、透明感を漂わせた部分があり、心ひかれます。まるでタブローの中に異世界への入り口があるかのようです。
西辻さんによると、ひっかいたり削ったり剝がしたりーという行為の繰り返しの末に生まれた作品とのこと。
表面の絵の具を剝がしたところが、平滑な部分に見えるようです。
2018年8月21日(火)~26日(日)午前10時~午後6時半(最終日~5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
関連記事へのリンク
■西辻恵三展 月人―最終章― (2016)
■第63回全道展 (2008、画像なし)
■国展(絵画部)北海道作家展 (2006、画像なし)
国展と全道展を退会したことも関係あるのか、以前よりも自由さが画面から感じられるような気がします。
冒頭画像は、モノトーンの絵が集まった一角。
左端は自信作の「まる」。題のとおり、まるい形が連なり、緊張感と闊達さとがふしぎな共存を見せている1枚。
その隣は「cross」。
「象」と題した作が何点かあり、白と黒の対比の鮮やかさが、書道の墨象作品を連想させます。
会場に入り向かって右側の壁面には「滴」と題した連作5点。
ドリッピングや垂らし込みの技法をオールオーバーに展開させた作品です。
この画面からは、米国に生まれ、戦後の世界の美術界を席巻した抽象表現主義の代表的画家、ジャクソン・ポロックを思わないわけにはいかないのですが
「まず自分が面白いと思ってやりました。面白い・面白くないというのは、大切な基準だと思います」
と西辻さん。
あまり計画的になりすぎないよう、偶然性を引き出すことを狙った連作ともいえそうです。
筆者は、この「象」2点が好みでした。
茫漠とした灰色の濃淡が画面を覆い、ほとんど何も描いていないようでいて、マチエールの違いが豊かな世界を展開しています。
とくに左側の作品は、上部に、不思議と平滑で、透明感を漂わせた部分があり、心ひかれます。まるでタブローの中に異世界への入り口があるかのようです。
西辻さんによると、ひっかいたり削ったり剝がしたりーという行為の繰り返しの末に生まれた作品とのこと。
表面の絵の具を剝がしたところが、平滑な部分に見えるようです。
2018年8月21日(火)~26日(日)午前10時~午後6時半(最終日~5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
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