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「札幌駅のアイヌ像から矢盗む 容疑の55歳男を逮捕」というベタ記事が載っていた

2018年06月13日 11時52分47秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2018年6月13日朝刊、第3社会面の下の方に出ていた記事。
 以下、引用します

 JR札幌駅構内のアイヌ民族の木像から装飾品の矢を盗んだとして、札幌北署は12日、窃盗の疑いで、住所不定、自称建設作業員の男(55)を逮捕した。

 逮捕容疑は同日午前8時55分ごろ、駅構内に設置されたアイヌ民族のエカシ(長老)像から装飾品の矢1本を盗んだ疑い。男は「芸術的なものに興味があった」と供述しているという。

 同署などによると、木像は彫刻家の藤戸竹喜さんが制作し、一般社団法人札幌大ウレシパクラブ(札幌)が2014年に設置。台座を含めた高さは約2.5メートルで、背負っている筒には矢数本が入っていた。「棒を持った不審者がいる」と通行人から通報があり、警察官が男を職務質問したところ、所持品から矢が見つかった。
※「ウレシパ」の「シ」は小さい字


 以上、短い記事なので、全文です。

 この彫刻を見たことのある人は、道内、とくに札幌圏には大勢いるでしょう。南北を貫くコンコースの中央に立っているので、非常に目立ちます。

 ただ、設置当初から、作品があんまり厳重に囲われておらず、ヒヤヒヤしていたのも事実です。
 ガラスなどで取り囲んでいるわけではなく、柵も低く、作品自体にかなり近寄れます。
 手を伸ばせばすぐにさわれそうな感じで、置かれているのです。

 作品と鑑賞する人の距離が、物理的にも心理的にも近いのは良いことだけれど、作品の保護を考えると、見る人からはなるべく離すべきだということになります。
 この二つを両立させるのはほとんど不可能であり、展示する側にとっては、永遠の課題だといえそうです。


 ちなみに、読売新聞北海道版にも同じ趣旨の記事が載っていました。
 朝日と毎日は不掲載でした。
 たまたま知名度の高い木彫だったから記事になっただけで、いまどきこの程度の窃盗では、いちいち取り上げないのが一般的です。容疑者の実名を出した読売の見識を疑わざるを得ません。


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