竹田さんは砂川在住。これまで地元や岩見沢で個展をひらいてきたほか、札幌でもグループ展には出品したことはありますが、札幌での個展となると初めてだそうです。
竹田さんの作品は、鉢カバーなど。
「花が好きなんですが、じぶんが使いたいと思うものがなくて」制作を始めたとのこと。
たしかに、一般的な「陶芸」というイメージからは、相当かけ離れた自由な作品が並びます。
右側の軽やかな絵は、かき落としの技法で描いています。
「孫が犬と公園で遊んでいるところをイメージして作りました」
と竹田さん。
それにしても、ふつうは、犬や子どもの造形をつくって添えるなどということは考えないのではないでしょうか。とても楽しい作品です。
冒頭画像の左奥や、上の画像の左側は、あかりです。
中に電球を置いてすき間から光が漏れるタイプの「あかり」作品はそれほどめずらしくありませんが、こういう箱形の形状はあまり見かけません。
札幌のビルに樹影が反射している情景を目にして着想を得たのだそうです。
奥に見えるのは、籐のかごそっくりの陶器。
いずれも、中に植木鉢を入れて、そっくり入れ替えられるようにしています。
筆者は園芸に疎いのですが、こういうのがあれば庭いじりは楽しいでしょうね。
左側の花は小さなバラです。
窓辺に並べても楽しそうです。
ほかに、以前描いた油彩をデジタルカメラで撮影してカラーコピーしたものを小さな額に入れ、壁に数点が飾られていたほか、銅版画も2点出品されています。
道内にはたくさんの陶芸家がおり、伝統の重みがないぶん、自由な発想で制作に取り組めそうな気がするのですが、斬新な作品を作っている人は意外なほど少ないのが実情です。
そんななかで、しがらみにとらわれず、じぶんがつくりたいものをのびのびと作っている竹田さんの姿勢には注目したいと思います。
08年4月21日(月)-26日(土)
Gallery粋ふよう(東区北25東1 地図H)