漆芸は日本の伝統工芸ですが、実は近年、中国大陸からの輸入が増えて、国産の漆はだんだん少なくなっているそうです。
辻徹さんのすごいところは、国内でも良質の漆がとれる茨城県北部の太子町に移り住んで、漆かきから器の生産までを現地で行っていることです。自ら長い時間をかけて漆の精製もしています。
従来は茨城では、漆の木をかいて、原料を取り、他の土地に出荷していたので、地元でも漆の産地ということがあまり知られていなかったそうです。
辻さんの一貫生産によって、地元でもだんだん認知度が高まり、辻さんの器は茨城県郷土工芸品に認められるまでになりました。
純日本産の漆の器ですが、ふだんづかいの器はそれほど高額なものが並んでいるわけではありません。
平椀、豆皿、ぐいのみなど、栗や欅で作った器は数千円で、使いこむほど味が出るものです。
一方で、瓔珞文錫彩水指などの茶器や、長盆などは、端正なフォルムが際立ち、渋さが光りますが、それとて驚くほど高額なものでもありません。
日本各地で存廃の危機に瀕している伝統工芸ですが、自らの実践で、未来につなげようとしている辻さんの手仕事を、ご覧になってほしいと思いました。
1963年札幌生まれ、東京藝大卒。
2018年8月16日(木)~22日(水)午前10時~午後8時(最終日~午後5時)
(札幌市中央区北4西2 さっぽろ東急6階プレミアムスクエア)
□ www.tsujitohru.jp/
■辻徹個展 茶道具の周辺から (2010)
■辻徹個展 木と漆の仕事(2008年)
■辻徹個展 朱のうつわ・黒のうつわ(2003年)
辻徹さんのすごいところは、国内でも良質の漆がとれる茨城県北部の太子町に移り住んで、漆かきから器の生産までを現地で行っていることです。自ら長い時間をかけて漆の精製もしています。
従来は茨城では、漆の木をかいて、原料を取り、他の土地に出荷していたので、地元でも漆の産地ということがあまり知られていなかったそうです。
辻さんの一貫生産によって、地元でもだんだん認知度が高まり、辻さんの器は茨城県郷土工芸品に認められるまでになりました。
純日本産の漆の器ですが、ふだんづかいの器はそれほど高額なものが並んでいるわけではありません。
平椀、豆皿、ぐいのみなど、栗や欅で作った器は数千円で、使いこむほど味が出るものです。
一方で、瓔珞文錫彩水指などの茶器や、長盆などは、端正なフォルムが際立ち、渋さが光りますが、それとて驚くほど高額なものでもありません。
日本各地で存廃の危機に瀕している伝統工芸ですが、自らの実践で、未来につなげようとしている辻さんの手仕事を、ご覧になってほしいと思いました。
1963年札幌生まれ、東京藝大卒。
2018年8月16日(木)~22日(水)午前10時~午後8時(最終日~午後5時)
(札幌市中央区北4西2 さっぽろ東急6階プレミアムスクエア)
□ www.tsujitohru.jp/
■辻徹個展 茶道具の周辺から (2010)
■辻徹個展 木と漆の仕事(2008年)
■辻徹個展 朱のうつわ・黒のうつわ(2003年)