美容と健康に悩む人たちと共に歩む

”病気を診ずして病人を診よ” 私の学祖の言葉から

8月下旬に54歳の女性が私のクリニックに来院しました。
彼女は身長156cm、体重75kg、体脂肪率38.6%と高度肥満症であり、基礎疾患に高血圧・高脂血症を合併していました。
本来多くの方は基礎疾患の治療で総合病院を受診し、高血圧・高脂血症のそれぞれの専門医を受診して適切な治療を受けていくのが普通です。

しかし彼女は私に、「私は肥満を治療したいと思っているのに、総合病院では降圧剤やコレステロールを下げる薬を勧めてくる。
それと同時にダイエットをした方が良いと言うが、その詳しい方法や薬を処方してくれない。私は肥満が良くなればおのずと高血圧・高脂血症は良くなると思っている。だから治療を拒否した」と言っていました。

私はまず彼女の血圧を計りました。血圧は189/106。確かに高い。
内臓脂肪量を計ったところ11.5kgあったため、そこに目を付け、本来のダイエット治療を勧めました。

内臓脂肪の分布と血圧には相関関係があり、内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型肥満と比べて、高血圧のケースが多いことが明らかになっています。
同時に皮下脂肪を減少させるより、内臓脂肪を減少させたほうが血圧が下がりやすいことも明らかになっています。

平均的な内臓脂肪量は2~3kgとされており、彼女の場合は明らかに内臓脂肪型肥満でした。


そこで、今回の治療法として・・・

血圧変動の著しい人に食欲抑制剤は使用できないため、脂肪吸収抑制剤と漢方を処方しました。

その結果・・・

2~4週間で彼女の体重は73kgと大きな変化はありませんでしたが、体脂肪率は33.1%、血圧は150/89と良くなっていました。
私は肥満と高血圧・高脂血症の関係について、『肥満治療が先で高血圧・高脂血症治療が後』なのか、『高血圧・高脂血症治療が先で肥満治療が後』なのかはっきり分かりません。

ただ、今回の経験から、一般的な高血圧・高脂血症の治療も大切ではありますが、『肥満の治療=高血圧・高脂血症の治療』であり、総合病院の治療法だけでなく、私のクリニックのように、患者が求めている治療を行うことも重要だと実感し、同時に学祖の言葉を思い出しました。


ダイエット専門渋谷ディーエスクリニック
   脂肪溶解メソセラピーも!!
コメント ( 4 ) | Trackback (  )  |  gooヘルスケア gooヘルスケア