美容と健康に悩む人たちと共に歩む

無月経について

 今回は、「肥満治療」の一部を実話を交えて書きます。

ダイエットにつきものの症状の一つとして、「無月経」があります。
これは一般的に「体重減少性無月経」といい、原因はいろいろありますが、分類として、「減食性無月経」と「神経性食欲不振症」等があります。

この2つの疾患にはそれぞれ目的があり、「減食性無月経」が痩せることが目的である一方、「神経性食欲不振症」は、痩せることが目的ではなく、食べないことが目的で、食べてはいけない、また自分は食べるに値する人間ではないと思い込み、自殺願望を強く持つこともあります。

では、どのように治療していけばよいのでしょうか?今回は「減食性無月経」の患者の話です。


8月上旬、19歳の女性が私のクリニックに来院しました。3年前からの無月経とダイエット治療のためです。
彼女には週6回も「吐く」という習慣がありました。しかし、すごく痩せているという訳ではなく、身長156cm、体重50kg、体脂肪率は21.4%でした。
 
また無月経ということで某大学病院を受診したり、またある産婦人科では無月経に対してピルを処方されたため、肥満を気にしていました。さらに週6回も吐いていたことから、右手には「吐きダコ」が数箇所できていました。


私は彼女を「減食性無月経」と診断しました。まず血液検査を行い、高脂血症と鉄欠乏性貧血が合併してることを彼女に伝えました。
「これまでの行為が自分自身の体調を崩している」と話し、ピルの使用と、「吐く」という習慣を何とか止めさせようとしました。

一般的にこういう人は、吐くことを覚えてしまうと、食べてしまっても、自分の体重をコントロールできるという自信を持ち、ついには痩せていくことに酔いしれてしまうことが多いという傾向があります。

そのため、医師の私が「食べなさい」と言うことは、「痩せる」という彼女の生きがいを奪うことになり、彼女とのコミュニケーションが取れなくなることを懸念したため、食欲抑制剤を使用することにしました。「食欲は自然と下がるから心配しなくてもいい、まずは吐く回数を少なくしなさい」と話しました。

3ヶ月弱が経過した現在、体重46.7kg、体脂肪率17.6%と減少しました。そして吐くことは完全に止めることができました。ただ、”吐きダコ”も消えてはおらず、無月経も改善されていません。

現在も高脂血症と貧血の治療を行っています。無月経が改善されないのは彼女の場合、精神的なものが大きいと思われるため、今後は彼女にとって、体重以外に自信をもてるものや、生きがいを見つけられるように協力していきたいと思います。



さて・・・

では、「無月経」にならないようにするには、どれくらいのペースでダイエットをしていけば良いのでしょうか?

個人差がありますので一概には言えませんが、医師の立場から言わせて頂くと、1ヵ月で1~2kg減が妥当であると思います。
もし、1ヵ月に5~6kg減という急激なダイエットをすると、無月経となってしまう可能性が高くなります。


”出来るだけ早く痩せてキレイになりたい”という願望は、女性なら誰でもお持ちだとは思います。

しかし、そのようなダイエットは、例えば”子供を産む”というような、女性でしか得られない幸福を奪いかねない、ということは、女性の皆様にはしっかりと認識しておいて頂ければと思います。


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