先日、フィリピン国鉄(PNR)のことについて、簡単にご報告しましたが、まずは最近の203系の動向について述べてみたいと思います。
PNRにはマト67、53~55の4編成、計40両が9月と11月に譲渡され、12月15日時点でTutuban駅及びヤードに全ての車両が留置されていました。Tutuban駅及びヤードはある程度の留置スペースがあるもののやはり40両となりますとかなりのスペースが必要となり、これ以上の車両を留置するスペースがほとんどないようです。各車両の留置状況図については、現在作成中のため後日地図にして掲載させていただきたいと思います。
先日も述べましたように203系の使用方法については、1編成を5両編成として使用する予定で、冷房装置の使用とドアの自動開閉を前提に改造する予定です。MGに電力を供給する上で発電機を車内に取り付ける予定で、先週、Tc203-107の1両がDLに引かれCaloocan工場に入場しました。
私が訪問した15日時点でこのTc203-107の側引戸ガラス部分はすでに鉄板のようなもので潰され、他の車両についてはこのような改造は受けておりませんでした。
このような側引戸ガラス部分を潰す工事ですが、同様にキハ52についても実施されております。投石による被害を防止するため、本来であれば投石防止ネットを装着できれば良いのですが、この部分に装着するのは不可能ですので、ガラス部分を鉄板のようなもので塞いでおります。
203系の使用については早くて来年1月を予定しているようですが、先日も述べましたように1ヶ月という短期間で本当に整備できるのか疑問ですし、5両編成8本を改造整備するには多少時間がかかるのではないかと思いますので、203系の活躍する姿を頻繁に見かけるにはもう少し先になるのではないかと推測しております。
また、PNRのラインカラーはオレンジですので、常磐線カラーからラインカラーのオレンジに変更されるのか注目されます。
下の写真はT'c202-5です。
PNRにはマト67、53~55の4編成、計40両が9月と11月に譲渡され、12月15日時点でTutuban駅及びヤードに全ての車両が留置されていました。Tutuban駅及びヤードはある程度の留置スペースがあるもののやはり40両となりますとかなりのスペースが必要となり、これ以上の車両を留置するスペースがほとんどないようです。各車両の留置状況図については、現在作成中のため後日地図にして掲載させていただきたいと思います。
先日も述べましたように203系の使用方法については、1編成を5両編成として使用する予定で、冷房装置の使用とドアの自動開閉を前提に改造する予定です。MGに電力を供給する上で発電機を車内に取り付ける予定で、先週、Tc203-107の1両がDLに引かれCaloocan工場に入場しました。
私が訪問した15日時点でこのTc203-107の側引戸ガラス部分はすでに鉄板のようなもので潰され、他の車両についてはこのような改造は受けておりませんでした。
このような側引戸ガラス部分を潰す工事ですが、同様にキハ52についても実施されております。投石による被害を防止するため、本来であれば投石防止ネットを装着できれば良いのですが、この部分に装着するのは不可能ですので、ガラス部分を鉄板のようなもので塞いでおります。
203系の使用については早くて来年1月を予定しているようですが、先日も述べましたように1ヶ月という短期間で本当に整備できるのか疑問ですし、5両編成8本を改造整備するには多少時間がかかるのではないかと思いますので、203系の活躍する姿を頻繁に見かけるにはもう少し先になるのではないかと推測しております。
また、PNRのラインカラーはオレンジですので、常磐線カラーからラインカラーのオレンジに変更されるのか注目されます。
下の写真はT'c202-5です。
ちなみに203系ですが最盛期は17編成あったけど、海外に譲渡されたのはフィリピンへ4編成、インドネシアへ5編成と思ったよりは少ない譲渡でした。あとの8編成はスクラップになったのは勿体無いですね。本来なら、もっと譲渡しても良かったはずですが・・・でも、前に「本来はフィリピン行きは8編成だったけど、4編成に削減された」と言っていましたけど、なぜなんでしょうか?そうなると、本来フィリピン行きの編成がインドネシア行きに変更されたのか、それともスクラップになったのか、というのも気になります。また、203系のインドネシア行きの話は初めからあったのか、それとも急遽決まったのかも気になりますが・・・
無償援助とは言うものの、電化区間のあるジャカルタ近郊区間で使用のインドネシアと違い、電車なのに発電機搭載で非電化路線での使用という事で、今までの海外譲渡車両の中でも前代未聞かつ、無謀な挑戦かもしれませんが、果たして吉と出るか凶と出るか、気になる所です。ただ、フィリピンとしては気動車が希望でしょうから、JR東日本以外から気動車が確保出来るかが、今後のカギかなぁ、と思います。北海道か四国あたりから確保出来れば良いですが。
ただ、マニラ近郊区間の電化ですが、「西船junctionどっと混む」さん曰く、「PNRの電化は今から取り掛かったとしても、203系を電車として使うには遅すぎるでしょう。近代化するなら、沿線環境を含めた抜本的な改良が必要ですね。」と言っていたので、単純に電化するだけでは済む問題では無さそうです。やはり、中心部の高架複線化や路盤強化、ホーム延伸、電車区の整備、電化に伴う安全対策、沿線にあるスラムの排除、スタッフの教育等が必要になりますので、お金がいくらあっても足りないのではないでしょうか?下手すると、一度廃線の上、新しく造った方が良い場合もあるかもしれません。ただ、フィリピンにそんな金と計画があるのかどうか・・・
でも、1000万都市なのだから、都市鉄道として再生しないと未来が無いのは事実ですが。
今後、203系の活用と共に、フィリピン国鉄のこれからが気になる所です。
203系がフィリピン、インドネシアへ譲渡された経緯については、私自身、JRやPNR、PT.KAIの当事者や関係者でありませんので、はっきりしたことが言えませんが、一昨年9月初めの時点でPNR担当者から聞いていたのは確かに203系80両で、2010年9月から2011年2月にかけ譲渡する予定であり、川崎貨物駅へのスジも組まれていました。しかしながらこの当時PNR側が予算の確保ができなっかたようで、翌年の2011年1月に2.5億ペソの予算が確保され、2月にPNRの担当者が来日されJR側と交渉の結果、ご存知のように203系40両、キハ52系7両、キハ59系(こがね)3両の計50両が決定しました。予算の2.5億ペソは約83両分の輸送費などで賄うことができるため203系40両のみではなくそれ以上に譲渡できるのではないかと思いますが、おそらくこの時点でインドネシア側(PT.KAI)と交渉が行われており、譲渡する両数も決まっていたのではないかと推測しております。ですので203系の廃車は2010年11月から2011年2月まで実施されましたが、その後の203系は廃車されることなく両者に譲渡された結果、PT.KAIが50両、PNRが余りの40両ということになったのではないかと推測しています。
フィリピンの国自体、東南アジアのマレーシアやタイなど経済的に同等レベルではないかと思いますが、鉄道の交通基盤に対する国側の姿勢があまりにも重要視されておらず、既存の鉄道施設への改善、新線整備が遅れています。1000万人を擁する大都市マニラの中心部をPNRが通り、かつマニラ南部のラグナ州からの需要が多く見込めるのですから、一刻も早く新車、中古車を投入し、保有車両数を増加させ、Sucat以南の複線化や電化、立体交差化などで飛躍的にPNRの利用客が増えるはずではないかと私も思っております。しかしながら、それには莫大な資金が必要であり、国レベルの財政で整備するには困難のようで、かつマニラのMRT3号線のように民間企業が資金を提供するような方式をとったとしてもなかなかスピーディーに実行できないのが現状です。
PNR側としては昨年譲渡された両数では不足していますし、韓国ロテム社からのDMU納入が遅れていますので、今後も中古の気動車やディーゼル機関車を必要としていると思われます。果たしてどのような車両が譲渡されるのか、私も気になるところですが、譲渡された203系が早期に改造され、活躍する姿を見たいものです。