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PNR(フィリピン国鉄)近況報告-2020年1月

2020年01月13日 23時48分01秒 | フィリピン
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年夏のPNR(フィリピン国鉄)のご報告からすでに半年が経過してしまいましたが、まだまだPNRのことで報告すべきことがあるにもかかわらず、その後は連日仕事に追われてしまい、今になってようやく落ち着いて報告ができる時間が持てるようになりました。
と言ってもこのブログの中でも述べたかもしれませんが、家内と子供は現在もマニラに居りまして、彼らをなんとかオリンピックの始まる前に日本へ呼び寄せる手続きをせねばなりませんが、今になって書類を集め、これから整理や書類の作成、その後の手続きをやっていかねばなりませんので、趣味のための時間が今後も持てるのかどうかわかりません。

とりあえずは私の状況はこのような感じでありますが、昨年夏から現在までのPNRの出来事について簡単にご報告させていただき、前回、マニラ訪問の際に体験しましたDOST(科学技術省)で製造されたHET(ハイブリット・エレクトリック・トレイン)の乗車の報告については次回にでも報告したいと思っております。

まずはおおまかに昨年夏から現在までのPNRの出来事について報告しますと以下のとおりです。
10月24日、キハ59のこがねがTutuban〜Calamba間のおはようライナーとでも言うのかそれともイブニングライナーとでも言うのでしょうか朝夕の座席指定の通勤用列車として久々に復活しました。それ以前は5年前の2014年にPremiere Trainということで、Tutuban〜Sta.Rosa間に運行開始され、その後Sta.RosaからMamatidに延長されましたが、2014年末を最後に営業列車として活躍することなく細々と業務用の列車として利用されたり、長い間、Caloocan工場の隅でひっそりと車両の整備が実施されていました。しかしながら今年の夏頃から急速に整備が実施され、下の写真のようにINKA製造の新型DMUと同様な塗装色に変更、前面窓の投石防止用のネットは外され、前面窓のガラスは衝撃強度のあるカーボグラスに変更されました。
列車の時刻についてはPNRのホームページをご覧いただけたらと思いますが、12月1日以降は、朝はCalamba〜IRRI〜Calamba〜Alabang〜Tutuban、夕方はTutuban〜Alabang〜Calamba〜IRRI〜Calambaに運行されているようで、土曜日夕方と日曜日朝の運転はされていないようです。(写真はMark Chua氏)


そして以前から大きな話題になっていましたインドネシアINKAからの新型DMUの導入ですが、本来、昨年の夏頃にはマニラに到着するはずであったものがようやく昨年12月8日23時にマニラ港に到着しました。先行分として3両編成2本が到着し、翌日の深夜にTutubanのヤードに運び込まれました。到着後はすぐに試運転が実施され、12月16日にはPNR史上、今までにない輸送力増強を実施すべく大規模なダイヤ改正が実施されました。
12月16日実施の時刻についてはこれもPNRホームページの時刻表をご覧いただければと思いますが、ピーク時の運転間隔はBluementritt〜FTI間で約20分になり、大幅な改善となっていますが、実際にはTutuban〜FTI間の列車を中心にキャンセルされているようです。
また、大規模なダイヤ改正とともに12月16日からINKA製造の新型DMU2本の運行が開始され、同時にインドネシアINKA製造の営業運転を祝うセレモニーがDela Rosa駅で開催されました。式典にはPNRのGMであるJunn Magno氏、フィリピン運輸省(DOTr)大臣Arthur Tugade氏、インドネシア国営鉄道車両会社(INKA)社長Budi Noviantoro氏らが参加、フィリピンの国歌である「Lupang hinirang(最愛の地)」とインドネシアの国家である「Indonesia raya(大インドネシア)」が斉唱され、ベルを鳴らしたり、テープカットが実施されました。
また、この形式の車両の形式は8000系であり、組成はMec1 T1 Mec2(先頭車の8001と8003、8004と8006はエンジンが付いて、中間車の8002と8005はエンジンなしと思われ、RotemのDMUと構成は同じになります)であり、今後到着する4両編成のDMUの組成はMec1 T1 T2 Mec2となり、それぞれ先頭車にエンジンが付いています。(写真はGrabriel Guiterrez氏)


新型DMUのインテリアはRotemの車両にも似ており、椅子はプラスティック製になっています。
(写真はINKA)


その他、この大規模なダイヤ改正により、Alabang以南のAlabang〜IRRI間で、データイムの運転開始と夜間時間帯の運転拡大(最終列車の運転繰り下げ)が実施され、Alabang〜IRRI間にはキハ350の2両編成が充当されたものの、投石による窓ガラスの損傷と床下機器の調子が悪いとのことで、最近では運転中止に追い込まれてしまったようです。
車両については韓国Rotem製造のDMUもキハ350とともにこれらの形式もINKA製造の車両と同様なカラーリングに変更されましたが、203系に対しては新たなカラーリングに変更されることなく、昨年は単行で活躍したキハ52は車両の調子が悪いとのことで、現在は運行に入ることはないようです。
(写真はMark Chua氏)


と言うことで簡単にPNRに関してご報告しましたが、来月頃には4両編成のDMU4本がマニラに到着する予定で、DL+客車5両の3本もDMUに続きマニラに到着するものと思われますが、私も早く新車の姿を見たいということで来月下旬にはフィリピンとインドネシアへ行く予定です。
しかしながら、昨日の報道のとおりマニラ南方約60kmに位置するTaal Volcanoが噴火し、飛行機の運休が一部で続いているようで、今後、火山活動がどうなるのか気になるところではありますが、なんとか沈静化してくれることをただひたすら願うばかりです。