ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

ありがとう。治りました。

2016-08-26 06:17:45 | 日記
急ぐわけでも、気が急いているわけでもなかったのに、
横断歩道の信号の「アオ」が目に入ったら、思わず駆け出してしまったのです。
すってんころりん 見事に転びました。
一瞬の筈なのに、風景がぐるりと ゆるやかに回転。

すぐに、そばにかけ寄ってきてくれた若い女性が、
『おばぁちゃん 大丈夫?』
屈みこんで言葉をかけてくれました。
「うん だいじょうぶ ありがとう」
と、口にしたものの起き上がれません。
時計やらケイタイ・バスの定期、その他がバックから道路に飛び出してしまいました。

その女性は、散じたモノを拾い上げ、カバンに戻してくれたのです。
そして、両腕で私の上体を起こし、立たせてくれました。
“歩ける?  だいじょうぶ? 救急車欲しい?”
言葉のアクセントからすれば、東南アジアあたりの方かもしれません。

国道4号線、結構長い横断歩道を、私と一緒に歩いて渡ってくれたのです。
「ありがとうございます」と、私はお礼を述べて お別れしました。

うれしい手・ありがたい手を差し伸べて下さったことに感謝です。
もう 再び会うことはないでしょう。
バスに乗ってから、心の中で、
〈ありがとうございました。あなた様に、神さまからの祝福がありますように〉
と、祈りました。

痛み具合からして骨折などは無いようですが、両膝は擦り傷ができたもようで、
血と油が、白いパンツの上まで沁み出しています。
“このパンツ もう はけない”
痛みよりも、そう感じていました。

油断といえば油断でした。
このところ脚の具合が大分よくなっていたので、無意識に走り出してしまったのです。
これが、「加齢」、早い話が「老化」現象なのでしょう。

五日ほど経ったので、膝小僧の擦り傷は治りました。
助け起こして下さった女性に、再度の“ありがとう”を伝えたいのですが叶いません。
誰か、私の手を貸してほしい人が出てきたとき、その人に お返しするほかないのでしょう。
私の転倒と、内容は異なっていますが、相田みつをさんの詩を どうぞ。

     『つまづいたおかげで』                   
                             相田みつを
     つまづいたり ころんだり したおかげで
     物事を深く考えるようになりました

     あやまちや失敗をくり返したおかげで
     少しずつだが
     人のやることを 暖かい眼で
     見られるようになりました

     何回も追いつめられたおかげで
     人間としての 自分の弱さと だらしなさを
     いやというほど知りました

     だまされたり 裏切られたり したおかげで
     馬鹿正直で 親切な人間の暖かさも知りました

     そして
     身近な人の死に逢うたびに
     人のいのちのはかなさと
     いま ここに
     生きていることの尊さを
     骨身にしみて味わいました
     …………………………
     …………………………


コメント (4)
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