先日、「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド著)を読んでから、ヒトの進化の歴史をもっと知りたくなりました。そこで市立図書館で何冊か探して借りてきました。
最も読みやすかったのは、左側の本「絵でわかる人類の進化」(斎藤成也編)です。ダーウインが進化論を発表したのが1859年、その後、1953年に J.ワトソン、F.クリックがDNAの二重らせん構造を発見しました。化学的構成原理が判明したので、色々な生物のDNAを調べるシーケンサーという検査機器が急速に発展しました。
現生人(ホモ・サピエンス、クロマニヨン人)の前には、旧人(ネアンデルタール人など)、原人(北京原人、ジャワ原人、フローレス島(インドネシア)の小型人類[トールキンの小説の小人”ホビット”]など)、類人猿があり進化の過程がかなり明らかになっています。
最初の人類は、なんとアフリカで誕生しています。
2万年くらい前に、最後の氷河期があったので、現在のベーリング海峡あたりは氷で閉ざされ、また海面も現在より100メートルくらい低かったので、アフリカから出たヒトはアジア、シベリアを通り、何千年をかけて北アメリカ大陸、そして南アメリカまで拡散していきました。
日本列島人の起源の説明も興味深い。
原アジア人(南アジアより)が列島に渡来して「縄文人」になり、その子孫が沖縄人とアイヌ人に引き継がれました。一方、北東アジア人が中国、朝鮮半島から渡来して、縄文人との融合を果たして本土日本人になったと説かれています(二重構造説)。
最初の写真のもう一つの本「「人類の起源」の大論争」は、異なる学問領域の専門家の論争の解説で、一般読者には面白くはなかったです。ただし、この本の本筋ではなくて、埋草で追加された「ピテカントロプス」(ジャワ原人)をジャワ島で発見したオランダ人軍医デュボアのエピソードは興味深いと思いました。
つい2ヶ月前に、インドネシアを訪問したばかりだったし。
ドイツで発見されたネアンデルタール人は、最初は病気で頭蓋骨が変形した新人だと考えられたのですが、同様な人骨が欧州各地で発見されました。氷河時代のとても寒い時代を乗り切ったことがわかっていて、その寒冷期には「新人」(クロマニヨン人)は暖かい地中海海岸に逃げていたようです。その後、ネアンデルタール人とクロマニヨン人の「戦い」があって、前者は絶滅してしまったというのが、現代人類学の結論です。
しかし、戦って全ての子孫が絶滅してしまうのはやはり考えにくくて、伝染病や気候変動、あるいは混血による消滅なのか、まだ疑問はあるようです。
「旅する遺伝子」(スペンサー・ウェルズ著)は面白い。
ジェノグラフィック・プロジェクト(The Genographic Project)を解説する書物で、米国人著者の祖先(北欧)を、母親からだけ男女の子が受け継ぐミトコンドリアDNA(mtDNA)の解析とその地理的分布のエピソードから解き明かされる。
男性だけに伝えられるY染色体の系列の話も、何万年の歴史が記録されていて身につまされます。
この本が発行された2007年の成果として、ミトコンドリア・イブといわれるアフリカに17万年前に存在した女性のミトコンドリアが、現在全世界のヒトに引き継がれているとのことです。すべてのヒトのミトコンドリアDNAが完全に同一ではなくて、ハプログループと呼ばれる突然変異の記録がmtDNAの鎖の中に残されているので、それをたどっていくと祖先の住居地の移動経路が推定できます。
同様にY染色体からたどると、6万年前にアフリカで生存した「アダム」が明らかになっています。
聖書の神話と異なり、アダムとイブの年代が11万年もずれている理由は本を読んでください。
...
「ジェノグラフィック・プロジェクト」のWikipedia記事をリンクしておきます。
最も読みやすかったのは、左側の本「絵でわかる人類の進化」(斎藤成也編)です。ダーウインが進化論を発表したのが1859年、その後、1953年に J.ワトソン、F.クリックがDNAの二重らせん構造を発見しました。化学的構成原理が判明したので、色々な生物のDNAを調べるシーケンサーという検査機器が急速に発展しました。
現生人(ホモ・サピエンス、クロマニヨン人)の前には、旧人(ネアンデルタール人など)、原人(北京原人、ジャワ原人、フローレス島(インドネシア)の小型人類[トールキンの小説の小人”ホビット”]など)、類人猿があり進化の過程がかなり明らかになっています。
最初の人類は、なんとアフリカで誕生しています。
2万年くらい前に、最後の氷河期があったので、現在のベーリング海峡あたりは氷で閉ざされ、また海面も現在より100メートルくらい低かったので、アフリカから出たヒトはアジア、シベリアを通り、何千年をかけて北アメリカ大陸、そして南アメリカまで拡散していきました。
日本列島人の起源の説明も興味深い。
原アジア人(南アジアより)が列島に渡来して「縄文人」になり、その子孫が沖縄人とアイヌ人に引き継がれました。一方、北東アジア人が中国、朝鮮半島から渡来して、縄文人との融合を果たして本土日本人になったと説かれています(二重構造説)。
最初の写真のもう一つの本「「人類の起源」の大論争」は、異なる学問領域の専門家の論争の解説で、一般読者には面白くはなかったです。ただし、この本の本筋ではなくて、埋草で追加された「ピテカントロプス」(ジャワ原人)をジャワ島で発見したオランダ人軍医デュボアのエピソードは興味深いと思いました。
つい2ヶ月前に、インドネシアを訪問したばかりだったし。
ドイツで発見されたネアンデルタール人は、最初は病気で頭蓋骨が変形した新人だと考えられたのですが、同様な人骨が欧州各地で発見されました。氷河時代のとても寒い時代を乗り切ったことがわかっていて、その寒冷期には「新人」(クロマニヨン人)は暖かい地中海海岸に逃げていたようです。その後、ネアンデルタール人とクロマニヨン人の「戦い」があって、前者は絶滅してしまったというのが、現代人類学の結論です。
しかし、戦って全ての子孫が絶滅してしまうのはやはり考えにくくて、伝染病や気候変動、あるいは混血による消滅なのか、まだ疑問はあるようです。
「旅する遺伝子」(スペンサー・ウェルズ著)は面白い。
ジェノグラフィック・プロジェクト(The Genographic Project)を解説する書物で、米国人著者の祖先(北欧)を、母親からだけ男女の子が受け継ぐミトコンドリアDNA(mtDNA)の解析とその地理的分布のエピソードから解き明かされる。
男性だけに伝えられるY染色体の系列の話も、何万年の歴史が記録されていて身につまされます。
この本が発行された2007年の成果として、ミトコンドリア・イブといわれるアフリカに17万年前に存在した女性のミトコンドリアが、現在全世界のヒトに引き継がれているとのことです。すべてのヒトのミトコンドリアDNAが完全に同一ではなくて、ハプログループと呼ばれる突然変異の記録がmtDNAの鎖の中に残されているので、それをたどっていくと祖先の住居地の移動経路が推定できます。
同様にY染色体からたどると、6万年前にアフリカで生存した「アダム」が明らかになっています。
聖書の神話と異なり、アダムとイブの年代が11万年もずれている理由は本を読んでください。
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「ジェノグラフィック・プロジェクト」のWikipedia記事をリンクしておきます。
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