朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

バンコクのデモ行列

2010-03-22 | 外国の風物
バンコクの新空港、といっても開港して3年くらい経つのでしょうか、に到着しました。

 ともかく巨大です。しかしまだ都心からの高架鉄道が開通していません。いつも、Coming Soon と言っているようですが。
 でもそれほどは困りません。今では、都心までの高速道路がかなり建設されていて(都心中心部・繁華街の道路は大混雑だが)、タクシー代金が安くて都心まで千円と少し程度なので。
 空港にて客を乗せるタクシーは、ドライバーが空港の公的機関に使用料金50バーツ(150円、客が降りるときに料金に追加される)を前払いしていてます。その証明書が乗客に渡され、それが苦情投書用紙にもなっているため、ドライバーのマナーは良い。


 到着の翌日、土曜日にタクシン前首相の支持派のデモがあり数万人の規模でした。幸い、我らの車が向かう方角とは逆の車線。




 デモ行列は、車、トラック、バイクが中心でした。徒歩はほとんどいません。側道で支持者が応援しているのはいました。シンボルカラーは赤。

 でも緊迫感は感じられないし、警官隊が前後や脇を固めている様子はありません。
 日本での、昔の「メーデー」のデモ行進の様。
 和気藹々と周辺の見物者に旗や手を振っていました。なにか楽しそう。

 政府機関とか現首相官邸などは厳重に警備しているのでしょうが。

 我らの車にはタイの方が乗っていたので、なぜこのように支持者が集まるのか、質問しました。 
 一説にはタクシン前首相は海外に数百億円レベルの不正蓄財があるとも報道されているのですから(政府側の情報でしょうが)。

 彼の解説は、

1・前首相はタイ北部の農村出身で、農業地域を手厚く保護した。このデモに集まるのは、ほとんどが農村からの人たち。BKKなど都会の中産・上流階級は冷たく見ている。(この解説してくれた人も北部出身)

2・農村優遇の例で、大学進学者に奨学金が出ていたが、政権が変わったら突然、支給した全額を返還せよとの通知が卒業生にまできていると、話していました。契約条件に仮にそのような条項(例えば財政危機の特約など)があったのかもしれませんが、支払い済の奨学金を返せとは。対象になった若者は怒るでしょう。

3・デモに集まるための資金が、前首相周辺から支払われている。前首相とその親族は、幾つかの企業群(ホテル業とか)を所持しているから資金が豊富。 

4・王様は、高齢で病気が重く、政治対立を(今回は)調停できない。

===

「民主主義国家」といえども、国家権力を取ると、いとも簡単に数千億、兆単位の蓄財が可能になるという現実にも驚きます。

 最近も、北朝鮮キム総書記の私的資産がスイスにあったが今はルクセンブルグに移されたとの報道がありました(数千億円)。

 日本では、さすがにそれほど露骨な不正は無いと思いますが、特定業界への巨額補助金、工事発注、高額年俸の公務員OBなど、「薄く広く」数兆円くらいばら撒かれているように感じます。
コメント
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