石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

134 東京の寺町(10)-台東区松が谷(6)

2018-04-10 14:17:33 | 寺院

13 浄土宗・光感寺(松が谷2-20-3)

14 浄土宗・涼源寺(松が谷2-19-7)

境内にエキゾチックな石仏が点在している。

 

中で存在感を示しているのが、鑑真和上丸彫り座像。

鑑真の故郷揚州の硬い石材を中国の石工が彫ったものと解説板にはある。

15 曹洞宗・曹源寺(かっぱ寺)(松が谷3-7-2)

「かっぱ橋本通り」と「かっぱ橋道具街通り」、「かっぱ橋」とつく通りが2本あるとは知らなかった。

曹源寺は、かっぱ橋本通りに面している。

 

商店街の幟やマンホールにもかっぱは描かれ、置物のかっぱも多種多様で、商店街の努力が垣間見えて、ほほえましい。

 

この場合の「かっぱ」は「河童」を意味しているが、「かっぱ」には「合羽」の意味もある。

曹源寺は別名「かっぱ寺」と呼ばれるが、この場合の「かっぱ」は「河童」と「合羽」の両義あるというから面白い。

昔この付近は土地が低く、雨が降るとすぐ洪水になって住民は難儀していた。土地の商人、雨合羽屋の合羽川太郎は治水で住民を救おうと掘り割り工事を始めた。だが、工事は難航した。それを見て動き出したのが、隅田川の河童たち。川太郎に助けられた恩義を返すべく、工事を手伝った。浅草から上野へ通じる橋は川太郎の徳を偲んで合羽橋と名付けられた」。

曹源寺には川太郎の墓が、河童の石像に囲まれて、ある。

 

墓の刻文は「てっぺんへ手向けの水や川太郎」。

治水工事に協力した河童たちも「河童大明神」として、祀られている。

水とキウリを供えて「河童真言」を21回唱えるのが、正式流儀だそうで、ちなみに真言は「オン・カッパ・ヤ・ソワカ」だそうだ。

寺を出ようとして目につくのが、小屋の中の木彫物。

まさか河童ではあるまい、何だろうと寺に電話してみた。

かっぱ橋本通り商店街が東京芸大に頼んで制作してもらった河童のうちの1体だそうで、いかにも芸大の学生が造りそうな河童だと妙に納得。

*松が谷寺町には、このほかにも寺があって、ブログに纏めはしたのですが、私の不注意で消去してしまいました。そのため寺町シリーズ「台東区松が谷」編は、これをもって終了とさせていただきます。


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