石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

136 目黒不動尊の石造物 23 八大童子ほか

2018-12-02 09:39:08 | 寺院

以前目黒不動に来た時は、シャッターなどはなく、自由に八大童子を拝観できた。

それが、シャッターにカギがかかって、通行止めとなっている。

 

でも、目黒不動尊のネット資料を読んでいて、毎月28日の縁日には、通行できることを知った。

それで、8月28日、4度目の参詣。

八大童子の山の前には、灯籠を挟むように狛犬が向かい合っている。

台石には、「畳講」がはめ込まれている。

目黒不動尊には「太子講」があって、多くの職人の信仰を集めた。

「畳講」があって、なんら不思議はない。

小山に不動明王を護るように八大童子が構えていらっしゃる。

麓には鉄柵がめぐらされていて、童子に近づくことはできない。

望遠レンズでやっと捉えた写真を以下掲載するが、〇〇チョンカメラの3倍ズームなので、上手く撮れていないがご了承ください。

説明板に従って右から。

えき童子

左手に、福徳の智慧を象徴する摩尼宝珠を、右手にはそれを守る三叉戟を持つ。(説明は、『高野山霊宝館』HPから。以下同じ)

しとく童子

眼が三つで鎧兜(よろいかぶと)を身につけ、左手には完全無欠の智恵を象徴する輪宝(りんぽう)を持ち、右手には煩悩を打ち砕くための三叉戟(さんさげき)を執る、と高野山霊宝館HPは説明するが、この童子の目は二つ。

うぐばが童子

性格と姿は暴悪であると説かれ、最も忿怒の表情を露(あら)わに表現するよう指示されている童子。髪が逆立ち、裳裾(もすそ)と共に風にひるがえっている。右手に独鈷杵を持ち、左手は金剛手(拳を固める)の形。

こんがら童子

15歳の童子姿で、頭には蓮華の冠を戴き、合掌した手には独鈷杵を持ち、天衣と袈裟で厳飾するとされます。
またその性格は小心者で従順であるとされ、童子像の穏やかで親近感のある表情にそれがあらわされています。

不動明王

一番高い場所に立っている。

あのくた童子

左手には蓮華、右手には独鈷杵を持ち、龍王に乗ると説かれます。童子像を見ますと、菩薩の姿で右足を下ろして龍に乗っています。

せいたか童子

左手に縛日羅(ばざら)(金剛杵)を、右手に金剛棒を持つとされます。また「悪性の者」であると説かれますが、これは制多伽童子が不動明王の真の心を知らない衆生に対して忿怒の心を込めて接するとされることと関係があるのかもしれません。しかし童子像は微塵も「悪性」を感じさせることはなく、颯爽として非常に理知的な印象を受けます。

えこう童子

天冠を戴き、体は黄白色で右手に金剛杵、左手に月輪(がちりん)を安(あん)じた蓮華を持つとされます。

しょうじょうびく童子

比丘とは修行僧のことで、剃髪し、衣と袈裟を身につけます。
「秘要法品」には右手に五鈷杵、左手に経巻(きょうかん)を持つと規定されています。またその面貌は若くもなく老相でもなく、青い眼で口元は上の歯が下に向かって出ているとされます。「童子」らしからぬ独特の容貌はそのためです。

 

八大童子の山の、道を挟んだ向こう側に目を引く形の石が立っている。

どうやら石碑のようで、ズームレンズで見ると「米翁之碑」と読める。

「米翁」で検索してみる。

大和国郡山の2代目藩主柳沢 信鴻(やなぎさわ のぶとき)の諡号(しごう・おくりな)とあるが、果たしてどうなのだろうか。

そのまま道なりに進むと朱色の鳥居があって、これが裏門になる。

「28日以外通行できません」との看板がある。

写真は、外から見た鳥居。

八大童子から鳥居に向かう途中、右手にあるのがデザイン性高い鬼瓦。

旧本堂の屋根にあったものだろうか。

そして、鳥居のすぐ手前左には、剣がすっくと立って、両側に2童子がお守りをしている。

一段と高いところにおわすのに、草花が生い茂って、道路から見つけにくい。

不動劔の台石にはめ込んだ黒御影には「方位除 不動劔/平成十五年五月吉日/第十一世住職遵浩代改修」と刻んである。

そして、前の石碑には「奉納/寶劔並二童子/金弐拾円」とあり、左下隅に「白金臺町 石工吉田政五郎/芝伊皿子町 石工吉田与平」と石工の名前が刻してある。

 

 


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1 コメント

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Unknown (fkaji)
2018-12-06 11:50:46
目黒不動さん、すごいですね。一度参詣してみなければ。
独鈷杵が何かわからずに、ググってみたら、
・・・勉強になりました。
煩悩を断ち切るために、物理的な武器を使うというのは、面白いですね。煩悩はあまい蜜ですから、断ち切るのはけっこう大変で、藁にもすがって断ち切りたいという強い思いが伝わってきます。
愚鈍・手抜き・甘い蜜大好き人間の私には、断ち切れませんねえ。

独鈷杵(とっこしょ)
密教では煩悩を打ち砕く意味で用いられる武器。
形は棒状で、中央に柄(鬼目部)がある。鬼目は大日如来と観想され、行者は大日如来と一体化する行法としてその膨らみを握った。
その両端に槍状の刃(鈷)が付いている。刃の数や形によって
一本のものを独鈷杵、三本を三鈷杵(さんこしょ)、五本を五鈷杵(ごこしょ)と呼ぶ。
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