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福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

大師のお姿

2013-10-28 | 法話
大師のお姿について(水原堯栄「弘法大師御影」を元に編集)
「大師のお姿には様々なお姿があります。それを水原堯栄「弘法大師御影」を元に整理してみました。
まず大師御自作の御影と伝えられるものです。(水原堯栄「弘法大師御影」による)
一、一八歳求聞持悉地を得られて阿波高越寺に安置されたという御影(高越寺私記)
二、三一歳入唐求法に際し告面行為孝自写されたという御影(南海流浪記)
三、三一歳入唐求法に際し海蔵庵に安置されたという御影(太宰管内誌)
四、三八歳東長寺に安置されたという御影(筑前國続風土記)
五、四二歳厄除御影(奥の院不動堂安置)
六、四四歳高貴寺求聞持堂に安置されたという御影(高貴寺縁起)
七、五五歳如意尼の為に自刻されとという御影(甲山神呪寺(かぶとやまかんのうじ)安置)
八、六一歳水鏡御影(紀伊続風土記)
九、御年六二歳御入定前日の廿日大師御影(高野山清浄信心院ご本尊)
十、入唐御帰朝後淡路三原郡檪田村願海に安置されているという御影(淡国通記)
十一、即身成仏現証の御影(高野山善集院)

水原堯栄「弘法大師御影」によるとこれらは根拠に乏しいものもあるということで実際には以下のように分類されています。

其の一、真如様式
   真如親王の筆と伝えられる右方斜面向きにして右手に五古杵を非竪非横に持て胸に   当て左手に百八果の念珠をお持ちになり胸を開かれて些かの屈託もなきお姿にして   仙洞御所御料椅子に安座されている御影で、余はこれを真如様式とよぶ。(西新井   大師の鎌倉時代の重文「弘法大師像」などこれ。)

其の二、八祖様式
   其の一の真如様式と同じであるが四脚の床座の上に坐しておられるお姿。真言八祖   像にみられるもの。

其の三、善通寺様式
    其の一の真如様式の大師お姿左上に釈迦如来影現の描かれたるもの。塵添壒嚢鈔    に「大師の御影の上に山端に,佛形を図するあり。これなにごとぞ。これは讃州    善通寺にこの仏像御筆ありと云々その御影に書き加えるか。いま所々にこれあ     り。その起こりをいふに、讃州多度の郡屏風の浦はご誕生の地たるによって、彼    ここに還って遍覧し給しに、海岸浦の松、尋常の姿にあらず。丹青の綵を交えた    る事、屏風を立てたるがごとし。仍て此の地名あるなり。此地勝境たる故に大師    練行し給時、弧峯の上片雲の中に、釈迦如来安祥として形を現し給いき。大師歓    喜のあまり則その姿を写し留め御座しける也。それよりしてこの山を我拝師山と    も号し、又湧出嶽ともなずけ給うものなり。」とある。醍醐三宝院のこの様式の    御影の軸表紙に「善通寺形大師」と題されている。

其の四、稚児大師
    童形の大師像。月輪中に蓮華を描き蓮華の上に垂髪姿金剛合掌の童子御姿。はじ    めてこれを書かれたのは勤操大徳であるとされるが、この構図は「御遺言」の     「夫以吾昔得生在父母家時。生年五六之間、夢常見居坐八葉蓮華之中諸佛共語     也」(そもそも思いめぐらしてみれば、わたくしが昔生まれて、父母の家にい     た、5,6歳の頃、いつも八葉の蓮華の中に坐って諸仏と共に語る夢を見た)と    いう文より図案せられたもの。

其の四の一、稚児大師(道順様式)
   道順の「御遺言大事」の文意より構案されたものでさきの稚児大師像で月輪中に剣   或は如意宝珠をお持ちになっているもの。

其の五、入木道の大師
    東寺観智院蔵狩野守信筆の像、右手に筆、左手に紙で机にお座りのもの。

其の六、秘剣大師
    大師は「般若心経秘鍵」で「文殊の利剣は諸戯を断つ 覚母の梵文は調御の師な    り チクマンの真言を種子と為す 諸経を含蔵せる陀羅尼なり」と述べられてい    ます。文殊菩薩の利剣をお持ちになり衆生を利益するお姿です。

其の七、日輪大師
     日輪中に蓮華を描きその中に右手に五古杵、左手掌上に五輪塔を捧げておられ     るもの。

水原堯栄「弘法大師御影」には大体以上に整理されていますが「奇瑞因縁より     内証三昧よりの伝説口碑ならびに文献によって構図されたる種々の御影が流伝     されている。」ともあります。
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