境界縁あるを以ての故に復た六種の相を生ず。云何爲六。
一は智相。境界の縁に依り愛と不愛とを分別するが故に。
二は相續相。智によるが故に其の苦樂の覺心を生じ、念を起こし相應して不斷なるが故に。
三は執取相。相續により境界を縁念し、苦樂を住持して心著を起こすが故に。
四は計名字相。妄執に依りて假名言の相を分別するが故に。
五は起業相。名字によって名を尋ね、取著して種種の業を造るが故に。
六は業繋苦相。業によって果を受け自在ならざるを以ての故に。
當に知るべし無明は能く一切の染法を生ずることを。一切の染法は皆な是れ不覺の相なるを以ての故なり。(以上の基本構造の上に外界を対象にさらに六つの相が現れる。どういうものか。一は感覚にもとずく智相。外界を認識したことにより好き嫌いの分別が出ること。二は先の感覚智がそのまま持続する相。好き嫌いの分別がそのまま快不快の気持ちとなり持続すること。三は執着する相。思いが持続することにより対象に対して快不快の念を持続させると心がそれに囚われることをいう。四は名前による概念の相。先の虚妄の想念により執着することにより名称を仮に作り、この仮の概念の言葉により判断すること。五は業を造る相。仮の名をつけてこんどはその名に執着して種々の業を造ること。六は業によって苦につながれる相。業により果報(苦)を受けそれに拘束されて輪廻すること。以上から無知はよく一切の穢れ(苦)を生むもとであり、一切の穢れ(苦)はみな迷いからくるものであることを知らねばならない。)
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