福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

秘密曼荼羅十住心論に説く十悪の果報3、((邪婬の果報))

2020-06-23 | お大師様のお言葉
秘密曼荼羅十住心論に説く十悪の果報3、((邪婬の果報))
又盜を以ての故に心不貞正なるによりて恣情にして婬妷す。今身に婬妷すれば現世には
凶危にして常に自ら驚恐す。或は夫主・邊人のために知る所となり、時に臨みて
殃を得る。刀杖加刑され手足分離せられて乃至失命す。死して地獄に入りぬれば之を鐵床に臥せしめ或は銅柱を抱かしめて、獄鬼火を燃して以って其身を焼く。地獄の罪畢りて當に畜生を受く。雞鴨鳬雀犬豕飛蛾なり。如是に無量に生死して、遐劫(かごう・生々)中に於いて諸苦惱を受く。受苦既に畢りて本因縁を以て若し微善に遇ふて劣(たまた)ま人身に復すれば、閨門婬亂妻妾不貞なり。若し寵愛あらば人の為に奪はる。常に恐怖を懐きて危きこと多く安きこと少なし。當し知るべし、危苦は皆な邪婬によりて生ずる也。
故に地持論(華厳経のこと)云。「邪婬之罪は亦た衆生をして三惡道に堕せしむ。若し人中に生ずれば二種の果報を得る。一には婦貞潔ならず。二は隨意なる眷屬を得ず」。と邪婬は何が故に地獄に堕するや。其の邪婬は非分を干犯し、物を侵して苦を為すを以てなり。所
以に命終して地獄の苦を受く。何が故に邪婬は出でて畜生と為るや。其の邪婬は人理に順ぜざるを以ってなり。所以に出獄して畜生身を受く。何が故に邪婬は復た餓鬼と為るや。其の婬妷は皆な同じく慳愛なるを以てなり。慳愛の罪の故に復た餓鬼と為る。何が故にか邪婬は婦貞潔ならざるや。他妻を犯すが故に所得の婦は常に貞正ならず。何故に邪婬は隨意の眷屬を得ざるや。其の邪婬は人の所寵を奪ふが故に其の眷屬は隨意ならざるなり。所以に復た人の為に奪はる。當に知るべし、邪婬の三大苦也。雜寶藏經に説くが如し。「昔、一の鬼あり、目連に白して言く『我物を以て自ら頭蒙篭(もうろう・朦朧)せり。亦た常に畏る、人來りて我を殺さんことを。心常に怖懼すること堪忍すべからず。何の因縁の故に爾るや』。答言。『汝前世時に、外色を婬犯して常に人の見ることを畏れ、或は其の夫主の捉縛打殺を畏れ、或は官法之を都市に戮せんことを畏れて常に恐怖を懷く。恐怖相續くが故に此の如くの罪を受く。此は是れ惡行の華報なり。後に方に地獄の苦果を受くべし』」と。
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