憧れの老僧の描写・・2
「方丈記」に侘びた庵の佇まいを描写して「いま、日野山の奥に跡を隠して後、東に三尺余りの庇をさして、柴折りくぶるよすがとす。南、竹の簀子を敷き、その西に閼伽棚を作り、北によせて障子を隔てて、阿弥陀の絵像を安置し、そばに普賢をかけ、前に法華経をおけり。東の際に蕨のほどろを敷きて、夜の床とす。西南に竹のつり棚を構へて、黒き皮籠三合を置けり。すなはち、和歌・管弦・往生要集ごときの抄物を入れたり。傍らに琴、琵琶おのおの一張を立つ。いはゆる折琴(をりごと)、継(つぎ)琵琶、これなり。仮の庵のありやう、かくのごとし。」とあります。浮世離れしたこういう庵の描写が大好きで憧れです。いまでも探せば人里はなれたところにはこういう庵があるかもしれないと思うことがあります。四国八十八か所にも昔はこういう風情だったと思われるお寺が多くありました。秩父六番卜雲寺なども昔お参りしたときはこういう雰囲気でした。生家の寺を思い出したものです。
「方丈記」に侘びた庵の佇まいを描写して「いま、日野山の奥に跡を隠して後、東に三尺余りの庇をさして、柴折りくぶるよすがとす。南、竹の簀子を敷き、その西に閼伽棚を作り、北によせて障子を隔てて、阿弥陀の絵像を安置し、そばに普賢をかけ、前に法華経をおけり。東の際に蕨のほどろを敷きて、夜の床とす。西南に竹のつり棚を構へて、黒き皮籠三合を置けり。すなはち、和歌・管弦・往生要集ごときの抄物を入れたり。傍らに琴、琵琶おのおの一張を立つ。いはゆる折琴(をりごと)、継(つぎ)琵琶、これなり。仮の庵のありやう、かくのごとし。」とあります。浮世離れしたこういう庵の描写が大好きで憧れです。いまでも探せば人里はなれたところにはこういう庵があるかもしれないと思うことがあります。四国八十八か所にも昔はこういう風情だったと思われるお寺が多くありました。秩父六番卜雲寺なども昔お参りしたときはこういう雰囲気でした。生家の寺を思い出したものです。