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「電力消費の多い世帯だけ料金を引き上げれば節電効果大」との説 - 週刊ダイヤモンド5月21日号

2011-05-19 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
「電力料金引き上げには世論の抵抗が強い」あるいは
「電気代の引き上げで国民負担が増える」とする報道は、
根本的に価格メカニズムやインセンティブの概念を理解していません。
この程度の基本的なことに気づかない論者が多過ぎます。

夏の電力不足に対応するためには、
工場操業や公共施設の輪番は勿論として、
正のインセンティブと負のインセンティブを組み合わせるのが正解です。

電力消費ピークの平日昼2時間(13~15時)だけ数倍の電力料金とするか、
それに加え10~13時と15~17時のゾーンも電力料金を引き上げるとともに、
その時間帯にエアコンを使わない料金プランを設定して
(エアコンを使った瞬間にブレーカーが落ちる契約とする)
そのプランに対しては電力料金を引き下げれば良いのです。

他には、消費電力の多い契約の料金を大幅に引き上げるとともに
消費電力の少ない契約の料金を幾らか引き下げるのも可です。

この日本経済の危機において、電気は存分に使わせろ、
でも安い値段でないと許さんと叫ぶ連中は全員非国民です。

日本経済のために節電に励む事業者や消費者こそ
優遇されるべきですし、それは価格メカニズムで簡単に実現できます。
元々冷房の苦手なお年寄りにはお得なプランであり、却って喜ぶでしょう。

停電が生命に関わる病院は例外扱いとすれば問題ありませんし、
政府が蓄電池と太陽電池を配ってしまうのも良策です。


今週の週刊ダイヤモンドのP86に重要な提言があり、
当ウェブログの従来よりの主張に近い点も多いのでこの機会にご紹介します。

「電力不足対策に市場機能活用とスマートコミュニティの構築を」と題した
田中誠・政策研究大学院大学准教授と依田高典・京大大学院教授の寄稿です。

『週刊ダイヤモンド』2011年 5/21号


日本では家庭の電力料金設定が3段階になっているので、
最も電気を消費する300kwh以上の契約となっている世帯
(高所得であることが多い)の料金だけ引き上げれば、
電力消費の少ない殆どの低所得世帯の負担は増えないとのこと。

(私は最も消費電力の少ない契約の料金を更に下げた方がいいと思う)

本当はピーク時間帯に電力料金を引き上げればいいのですが、
この記事によると
電力会社が電子式メーターの設置に抵抗したため
現在のところすぐには実施できないようです。
(深夜電力設定があるので、私は不可能とは思いませんが)

この論考の大きな欠点として、
ピーク時間帯の消費電力の多い小口需要者(オフィス、店舗等)に
言及していない点です。しかしこちらも同様の料金設定が可能でしょう。

夏迄にシンプルで実施し易い仕組みが必要です。


▽ そもそもの問題は電力ピークにある。

『原発に頼らない社会へ こうすれば電力問題も温暖化も解決できる』(田中優,武田ランダムハウスジャパン)



賠償で電気料金値上げ「納得」48% 朝日新聞世論調査(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY201105150374.html

”福島第一原発事故の賠償のため、電気料金が値上げされるとしたら…
 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、損害賠償の原資として電気料金が値上げ
 される可能性も指摘されている。朝日新聞社の全国世論調査で「損害賠償の一部に
 あてるため、お住まいの地域の電気料金が値上げされるとしたら」と聞くと、「納
 得できる」48%が「納得できない」43%をやや上回った。
 東京電力の供給地域でみると「納得できる」47%、「納得できない」45%で、
 それ以外の地域との差はほとんどない。
 夏の電力不足に対応するため東京電力と東北電力の地域では一律15%の節電目標
 が決められている。「あなたの家庭で15%削減が達成できるか」とたずねると、
 「達成できる」52%、「厳しすぎる」33%だった。
 東京、東北両電力の地域では「達成できる」が56%と、それ以外の地域の48%
 より高い。東日本大震災の直後からすでに計画停電などで節電が実行されており、
 その経験も反映していそうだ。”

この調査も「値上げするか、しないか」という単純な2分法だから
意見が割れてしまう訳で、「電気をたくさん使う人に値上げ」と
すれば容易に賛同が得られて実施できます。

あと、「賠償のための値上げ」であれば、電力会社のリストラと
原子力関連予算の転用が必要と思うかどうかも質問しないと。
肝心の項目が抜けています。
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