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日本医師会の生命倫理懇談会、医師のネット上での書き込みに強い懸念 - 暴言・中傷の悲しい実態

2010-04-01 | いとすぎから見るこの社会-全般
私が最近非常に憂慮しているのは、
医療関係者の中に非常に利己的な発想をする者がいて、
(自らの利害しか考えない点で、たちの悪い患者とそっくり)
医療に対する国民の信頼を破壊しかねないということだ。

医師とて患者とて、欠点もあれば癖もある普通の人間である。
一方的に医師だけが悪いということはあり得ないし、
全て患者が悪いということもあり得ない。

一部に悪質な患者が存在すると同様に、
一部に悪質な医師も存在する筈なのだ。
医師とて専門職の一つなのだから、当然だ。

それにも関わらず、何かあるとすべて患者(or 医師)が悪いと
断定して決めつけて攻撃し始める人が少なくない。

私は、長らく勉学を続け重責を負って医療にあたってきた
医師の方々は、一般人より高いモラルを持っていると思っていたが、
ネットで散見する自称医師の非常識な言説を見て不安になってきた。

かつて医学部の専門課程で医療倫理が重視されていなかったこと、
(近年はかなり改善されている)
或いは私立医大を一気に増やし医師の数を増員してきた医療政策の
必然的な帰結なのかもしれない。


ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷(読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20100306-567-OYT1T00532.html

”医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、
 インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害
 を受ける例も相次いでいる。
 状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会
 会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒
 める報告書をまとめた。

 ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった。
 2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題で
 は、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転
 載された。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳
 出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と
 投稿した横浜市の医師は、侮辱罪で略式命令を受けた。

 同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(無罪確定)では、遺
 族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに
 産んだ」と亡くなった妊婦を非難する言葉が掲示板やブログに出た。
 この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんね
 る掲示板で「日本の 全 (すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら
 生きて行くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう
 万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。

 割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医
 師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面し
 て医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を非難する書き込みが
 相次いだ。
 他にも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責
 任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今
 も多い。
 誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療
 崩壊の原因の一つとして記述されている。
 奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割
 りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という。
   ◆日医警告「信頼損なう」◆
 日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動に
 ついて「特に医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道
 記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」
と強調した。
 匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問
 われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が
 望ましい」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキ
 ペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記
 事を作るのも慎むべきだとした。
 報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。
 その場合、違反すると再教育の対象になりうる。”

医師の暴走も患者家族の暴走も、
日本の医療を損なう点では全く同罪だろう。

医療に対する信用を失墜させるような暴言の場合、
医師免許を短期間停止する位の処分をしないと防げないのかもしれない。

同様に明確に医療への妨害行為を行う患者に対しても
自治体が名前と事実を公表すればバランスが取れるだろう。

私の個人的な意見としては、
医師の皆様は専門職として非常に優秀なのですが
自分たちが失職の可能性のほぼない半ば特権階層であること、
一般世間の水準から考えると高額の教育投資を実行できること、
医師育成には多額の公費が投入されており
国民からの信頼があってこそ医師という身分が成立することを
ほとんど忘れかけているケースが少なくないのだと思います。

救急や産婦人科が崩壊しそうな時にも
自分の診療科に関わらないとなると関心を示さない方が
本当に実在します。悲しいことです。


▽ 医師の方が実名で本音を無自覚に出しており、驚かされる本





『「スーパー名医」が医療を壊す』(村田幸生,祥伝社)

勤務医が大変なのは分かりますが、
このようなメンタリティでは信望は得られないでしょう。
不平不満は数あれど、現実的な解決策の提案なし。
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