休日なので例によって新刊紹介です。
加計問題を受けている訳ではないでしょうが、大学関連で好著が複数あります。
また、意外に金融関連でも注目すべき新刊があり、
今がバブルの真っ最中であるのは間違いないと一層強く確信させられました。
→ 偶々とは思うが、加計問題の最中に実にタイムリーだ。
問題の根源に「政府の長期的視野の欠如」にあると指摘する著者は完璧に正しい。
(今まさに、加計問題が政府の文教政策の胡散臭さを立証しつつある)
天下りを十二分に「活用」している東京理科大の事例を見れば、
大学が自民党に擦り寄り、文科省から天下りを受け入れる理由が実によく分かる。
矢張り高等教育の無償化は国民のためではなく、既得権層へのバラ撒きである、
→ IPOは一部の大株主だけがボロ儲けし、
大勢の若者を使い捨てにする仕組み、という内容である。
全くその通りで、日本でもかなりの部分が共通していると痛感する。
→ かなり難解な本で、眠気を誘う箇所もかなりあるが、
日本経済にも言及した後半の章は必見である。
「日本は本格的な構造改革を何も行っておらず、インフレで公的債務を帳消しにするしかない」
とアベノミクスとその愚かな金融政策を一刀両断している。
→ 初心者向けでは全くないが、もしかしたら経済史に残る一冊かも。
まだ仮説の域に過ぎないが、「見えざる手」の不道徳性は
多くの者が現実に感じているところではないかと思う。
→ 遂に手塚治虫や『PLUTO(プルートウ)』の世界が近づいてきたようだ。、
著者が小林雅一氏ということもあり、必読であろう。
この分野は時々刻々と状況が変化するため油断せず目配りしておきたい。
→ グローバルな大学ランキングは「英米の留学生集めの道具」と鋭く喝破する著者。
確かにそうなのであるが、竹内洋氏とアキ・ロバーツの指摘する通り、
日本の大学改革にも資するところがあるから無視もできないのだ。
→ 概ねリアリズムに基づいて書かれているが、慢心に基づく強がりが欠点。
米軍が自衛隊を盾にするリスクシナリオを全く考慮に入れていない。
日本は確かに短期の戦闘力は高いが、長期戦には非常に弱く、
地政学的には脆弱であり兵站に大きな欠陥があるのだが。
ランド研究所など米シンクタンクに取材して書かれた
『米軍と人民解放軍』の質の高さには遠く及ばない。
▽ 日本のポチ右翼や反米右翼のお粗末さがよく理解できる必携書
→ 議員がメディアに対し圧力をかけてくる際には、
その裏には汚い嘘や誤摩化し、或いはカネの問題が隠れている。
そうした実態が実によく分かる素晴らしい取材である。
→ 最後にこちらも紹介。話題になった、「沖縄戦だと分かりにくい沖縄戦の映画」である。
配給元の苦心のお蔭(?)でネトウヨの妨害工作に遭わなかったのは良かったが、
興行収入面では成功とは言い難い状況だったのではないだろうか。
→ 今夏、個人的に最も注目している映画は『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』なのだが、
マイナー過ぎてamazonにすら関連商品がなかったので代わりにこちらを紹介。
一般的に日本ではハイドリヒが何者か分からないケースが多いのだろう。
加計問題を受けている訳ではないでしょうが、大学関連で好著が複数あります。
また、意外に金融関連でも注目すべき新刊があり、
今がバブルの真っ最中であるのは間違いないと一層強く確信させられました。
![]() | 『大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学』(木村誠,朝日新聞出版) |
→ 偶々とは思うが、加計問題の最中に実にタイムリーだ。
問題の根源に「政府の長期的視野の欠如」にあると指摘する著者は完璧に正しい。
(今まさに、加計問題が政府の文教政策の胡散臭さを立証しつつある)
天下りを十二分に「活用」している東京理科大の事例を見れば、
大学が自民党に擦り寄り、文科省から天下りを受け入れる理由が実によく分かる。
矢張り高等教育の無償化は国民のためではなく、既得権層へのバラ撒きである、
![]() | 『スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家』(ダン・ライオンズ/長澤あかね,講談社) |
→ IPOは一部の大株主だけがボロ儲けし、
大勢の若者を使い捨てにする仕組み、という内容である。
全くその通りで、日本でもかなりの部分が共通していると痛感する。
![]() | 『錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来』(マーヴィン・キング/遠藤真美,日本経済新聞出版社) |
→ かなり難解な本で、眠気を誘う箇所もかなりあるが、
日本経済にも言及した後半の章は必見である。
「日本は本格的な構造改革を何も行っておらず、インフレで公的債務を帳消しにするしかない」
とアベノミクスとその愚かな金融政策を一刀両断している。
![]() | 『不道徳な見えざる手』(ジョージ・アカロフ/ロバート・シラー,東洋経済新報社) |
→ 初心者向けでは全くないが、もしかしたら経済史に残る一冊かも。
まだ仮説の域に過ぎないが、「見えざる手」の不道徳性は
多くの者が現実に感じているところではないかと思う。
![]() | 『AIが人間を殺す日 車、医療、兵器に組み込まれる人工知能 』(小林雅一,集英社) |
→ 遂に手塚治虫や『PLUTO(プルートウ)』の世界が近づいてきたようだ。、
著者が小林雅一氏ということもあり、必読であろう。
この分野は時々刻々と状況が変化するため油断せず目配りしておきたい。
![]() | 『オックスフォードからの警鐘 - グローバル化時代の大学論』(苅谷剛彦,中央公論新社) |
→ グローバルな大学ランキングは「英米の留学生集めの道具」と鋭く喝破する著者。
確かにそうなのであるが、竹内洋氏とアキ・ロバーツの指摘する通り、
日本の大学改革にも資するところがあるから無視もできないのだ。
![]() | 『日米同盟のリアリズム』(小川和久,文藝春秋) |
→ 概ねリアリズムに基づいて書かれているが、慢心に基づく強がりが欠点。
米軍が自衛隊を盾にするリスクシナリオを全く考慮に入れていない。
日本は確かに短期の戦闘力は高いが、長期戦には非常に弱く、
地政学的には脆弱であり兵站に大きな欠陥があるのだが。
ランド研究所など米シンクタンクに取材して書かれた
『米軍と人民解放軍』の質の高さには遠く及ばない。
▽ 日本のポチ右翼や反米右翼のお粗末さがよく理解できる必携書
![]() | 『米軍と人民解放軍 米国防総省の対中戦略』(布施哲,講談社) |
![]() | 『富山市議はなぜ14人も辞めたのか――政務活動費の闇を追う』(チューリップテレビ取材班,岩波書店) |
→ 議員がメディアに対し圧力をかけてくる際には、
その裏には汚い嘘や誤摩化し、或いはカネの問題が隠れている。
そうした実態が実によく分かる素晴らしい取材である。
![]() | 【映画パンフレット】『ハクソー・リッジ』 監督メル・ギブソン キャスト アンドリュー・ガーフィールド, サム・ワーシントン, ルーク・ブレイシー, |
キノフィルムズ |
→ 最後にこちらも紹介。話題になった、「沖縄戦だと分かりにくい沖縄戦の映画」である。
配給元の苦心のお蔭(?)でネトウヨの妨害工作に遭わなかったのは良かったが、
興行収入面では成功とは言い難い状況だったのではないだろうか。
![]() | 『ヒトラーの絞首人ハイドリヒ』(ロベルト・ゲルヴァルト,白水社) |
→ 今夏、個人的に最も注目している映画は『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』なのだが、
マイナー過ぎてamazonにすら関連商品がなかったので代わりにこちらを紹介。
一般的に日本ではハイドリヒが何者か分からないケースが多いのだろう。