連休ですので例の通り新刊紹介です。
新刊のラインナップではまるでウクライナ問題が過ぎたかのよう。。
アベクロによる異常な緩和策が招いたインフレも忘れかかっている?
ただよくよく見てみるとそれ以外の分野で好著もちらほら。
イクメン関連で興味深い新刊が出てきている他、
安全保障では玉石混淆ながら注目すべきものが出ています。
→ イクメンの本質はエリートの特権の象徴であり
フェミニズムを装った新自由主義に立脚していると指摘する鋭い論考、
非大卒を排除し貧困と非婚を黙殺しているイクメン論の欺瞞性を暴いた功績は大きい。
→ 米シンクタンクのシミュレーションの方がもっとシビアであり、
「完全」という割には複数のシナリオに基づく想定が乏しく
太平洋戦争時の旧日本軍の「希望的観測」にかなり近いため寧ろ懸念が強まる一冊。
(何年も前の『米軍と人民解放軍』に見劣りする)
それに「安倍の失われた7年」以来のゼロ成長で防衛予算を増やせなかったこと、
少子高齢化への無策により自衛隊の人員不足が続いていることも指摘すべきであろう。
→ かつて軍事国家だったチベットが仏教により変貌したこと、
元朝も清朝もチベット仏教には寛容であり徹底弾圧した中国共産党だけが異端であること、
内容充実で学ぶことの多いかなりの力作(但し宗教史の部分は晦渋で一般向けではない)。
→ 一筋縄ではいかない厄介な大国インドを多面的に分析した良書、
但し専門が安全保障の著者なので人口動態での圧倒的優位や
今後の経済成長については分析がかなり手薄である。
→ 日本男性は家事育児をやらないのではなく、
仕事と通勤時間が世界的に見ても長いから難しいというのが実態。
但し安定高収入の特権的な職種の執筆者であるためか
休んでいるどころではない庶民男性やシンママ、自営業などを
税や保険料等で支えるべき自らの立場を忘れ、
しかも彼等彼女等を完全に排除した筆致なのが気になる。
→ 小林よりのり氏には身内に統一教会の信者がおり、
散々ウソをつかれ統一教会には拉致だ監禁だと悪質な中傷を受けたからこそ
この問題を放っておけなかった、日本の安全保障がカルトに脆弱との指摘はまさに至言!
→ この辺りからは批判的検討の必要なもの。
EU絡みでは悉く予言の当たらないトッドの口車に乗って
冒頭で「第三次世界大戦が始まっている」と書いたのは生涯の汚点になりかねず、
これから確実に起きるロシアの弱体化を見通せない先見の明の欠如が曝け出された。。
→ 以前は自称「奇跡」という自画自賛に驚かされたが、今度は
「安全保障のためには国債発行」という典型的な詭弁に陥ってしまった惨状、
自説に合う断片を寄せ集める断章取義は天才的だがそれでは口舌の徒にしかなるまい、
他人にばかり「歴史の教訓を正しく」などと独善的に説教しても空虚に響くだけでは。。。
→ 安倍政権下で小手先の自称改革しか出来なかった理由がよく分かる一冊、
有事で当然予想される自衛隊の損耗を聞いて驚いた安倍を
「痛みの分かる心根の優しい」と形容する阿諛追従には仰天させられた。
「安倍の失われた七年」における戦後最悪の低成長で
防衛予算を殆ど増やせなかった大失態こそ根本的な問題なのだが、
この本では全く触れられていないという。。
→ これズルい! こんなに可愛いなんてズルいにも程がある!
数ヶ月前の新刊だが思わず紹介してしまう。。
→ 最後にこちらを。中々いい本で連休時期にお薦め、
ただカラー写真もっと増やせば良かったのに。。。
新刊のラインナップではまるでウクライナ問題が過ぎたかのよう。。
アベクロによる異常な緩和策が招いたインフレも忘れかかっている?
ただよくよく見てみるとそれ以外の分野で好著もちらほら。
イクメン関連で興味深い新刊が出てきている他、
安全保障では玉石混淆ながら注目すべきものが出ています。
![]() | 『「イクメン」を疑え!』(関口洋平,集英社) |
→ イクメンの本質はエリートの特権の象徴であり
フェミニズムを装った新自由主義に立脚していると指摘する鋭い論考、
非大卒を排除し貧困と非婚を黙殺しているイクメン論の欺瞞性を暴いた功績は大きい。
![]() | 『完全シミュレーション 台湾侵攻戦争』(山下裕貴,講談社) |
→ 米シンクタンクのシミュレーションの方がもっとシビアであり、
「完全」という割には複数のシナリオに基づく想定が乏しく
太平洋戦争時の旧日本軍の「希望的観測」にかなり近いため寧ろ懸念が強まる一冊。
(何年も前の『米軍と人民解放軍』に見劣りする)
それに「安倍の失われた7年」以来のゼロ成長で防衛予算を増やせなかったこと、
少子高齢化への無策により自衛隊の人員不足が続いていることも指摘すべきであろう。
![]() | 『物語 チベットの歴史-天空の仏教国の1400年』(石濱裕美子,中央公論新社) |
→ かつて軍事国家だったチベットが仏教により変貌したこと、
元朝も清朝もチベット仏教には寛容であり徹底弾圧した中国共産党だけが異端であること、
内容充実で学ぶことの多いかなりの力作(但し宗教史の部分は晦渋で一般向けではない)。
![]() | 『インドの正体-「未来の大国」の虚と実』(伊藤融,中央公論新社) |
→ 一筋縄ではいかない厄介な大国インドを多面的に分析した良書、
但し専門が安全保障の著者なので人口動態での圧倒的優位や
今後の経済成長については分析がかなり手薄である。
![]() | 『ポストイクメンの男性育児-妊娠初期から始まる育業のススメ』(平野翔大,中央公論新社) |
→ 日本男性は家事育児をやらないのではなく、
仕事と通勤時間が世界的に見ても長いから難しいというのが実態。
但し安定高収入の特権的な職種の執筆者であるためか
休んでいるどころではない庶民男性やシンママ、自営業などを
税や保険料等で支えるべき自らの立場を忘れ、
しかも彼等彼女等を完全に排除した筆致なのが気になる。
![]() | 『統一協会問題の闇 国家を蝕んでいたカルトの正体』(小林 よしのり,扶桑社) |
→ 小林よりのり氏には身内に統一教会の信者がおり、
散々ウソをつかれ統一教会には拉致だ監禁だと悪質な中傷を受けたからこそ
この問題を放っておけなかった、日本の安全保障がカルトに脆弱との指摘はまさに至言!
![]() | 『国難のインテリジェンス』(佐藤優,新潮社) |
→ この辺りからは批判的検討の必要なもの。
EU絡みでは悉く予言の当たらないトッドの口車に乗って
冒頭で「第三次世界大戦が始まっている」と書いたのは生涯の汚点になりかねず、
これから確実に起きるロシアの弱体化を見通せない先見の明の欠如が曝け出された。。
![]() | 『どうする財源ーー貨幣論で読み解く税と財政の仕組み』(中野剛志,祥伝社) |
→ 以前は自称「奇跡」という自画自賛に驚かされたが、今度は
「安全保障のためには国債発行」という典型的な詭弁に陥ってしまった惨状、
自説に合う断片を寄せ集める断章取義は天才的だがそれでは口舌の徒にしかなるまい、
他人にばかり「歴史の教訓を正しく」などと独善的に説教しても空虚に響くだけでは。。。
![]() | 『官邸官僚が本音で語る権力の使い方』(兼原信克,新潮社) |
→ 安倍政権下で小手先の自称改革しか出来なかった理由がよく分かる一冊、
有事で当然予想される自衛隊の損耗を聞いて驚いた安倍を
「痛みの分かる心根の優しい」と形容する阿諛追従には仰天させられた。
「安倍の失われた七年」における戦後最悪の低成長で
防衛予算を殆ど増やせなかった大失態こそ根本的な問題なのだが、
この本では全く触れられていないという。。
![]() | 『とことんエナガ、シマエナガ』(BIRDER編集部,文一総合出版) |
→ これズルい! こんなに可愛いなんてズルいにも程がある!
数ヶ月前の新刊だが思わず紹介してしまう。。
![]() | 『世界史を動かしたワイン』(内藤博文,青春出版社) |
→ 最後にこちらを。中々いい本で連休時期にお薦め、
ただカラー写真もっと増やせば良かったのに。。。