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元信金職員、全財産1億円を寄付 -「向学心に燃える若者に役立ててほしい」と

2010-05-19 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
たまには良い話もあります。

政府にたかって教育費負担を減らそうと策動する人が多い昨今、
(その種の人に限って、欧州を引き合いに出しながら重税負担を無視)
自ら次世代育成のために行動するのは貴重な存在です。

私は「自ら負担しようとする者は本物で、他人に払わせようとするのは偽者」
としてこの国の偽善者たちを批判してきましたが、
この方こそ、その「本物」に相当します。

ただ注意点としては、
高度成長期は金利が非常に高かったので
預貯金だけでこれだけの資産額になるのですが
今の低成長・低金利時代においては
同じ方法は絶対に通用しません。


全財産1億円、75歳が寺に寄付(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100514-OYT1T00149.htm

”三重県伊賀市上野車坂町、元信用金庫職員西澤孝次さん(75)が、1億円を同市
 上野寺町、浄土宗念仏寺(豊岡 ●尓 (りょうじ)住職)に寄付した。(●は金へん
 に僚のつくり)
 西澤さんは檀家で、1億円はこつこつ貯金した全財産。この善意に応えて同寺は檀
 家の大学・短大生を対象にした奨学金制度を創設。西澤さんは「私は年金で十分暮
 らしていける。向学心に燃える若者に役立ててほしい」
と話している。
 西澤さんは、1953年から上野信金(現・北伊勢上野信金)に勤め、佐那具、青
 山、緑ヶ丘の各支店長などを歴任して94年に退職した。「お客様に貯蓄を勧める
 以上、自ら実践しなければ」と考え、初任給から積立預金を開始。夏冬のボーナス
 も全額蓄え続け、残高が1億円に達した。
 昨年夏、市から後期高齢者の保険証が届いたことがきっかけで「残す人生はあと少
 し。ぼけが始まる前にもうひと仕事したい」と思い立ち、豊岡住職に相談。同10
 月下旬、寺が奨学金制度を設けることを条件に、1億円をすべて寄付することを決
 めた。西澤さんは、妻や長男一家との5人暮らし。申し出に驚いた豊岡住職は何度
 も再考を促したが、最後は「西澤さんの信仰心は本物だ。その気持ちに応えなけれ
 ば」と受け入れた。
 寺は檀家らと相談し、今年4月、豊岡住職が理事長を務める「和順奨学会」を発足。
 西澤さんが理事の一人となり、信金勤務の経験を生かして外債や株式投資で運用し、
 原資の1億円を減らさないまま運用益で奨学金を給付し、返還を求めない方式とし
 た。

 奨学金は来春から毎年2人ずつ、卒業まで月2万4000円助成する。奨学生は念
 仏寺をはじめ、浄土宗伊賀教区に所属する伊賀、名張市の49寺の檀家に限定。国
 内の大学・短大に在学(応募時高校3年生または浪人生)し、世帯の年収が800
 万円以下であることなどを条件とした。9月1~30日に応募を受け付け、書類審
 査と面接で対象者を決める。〔以下略〕”

三重県であれば、年功賃金の地方公務員以外は
ほとんどが年収800万以下に該当するのではないでしょうか。

他の都道府県でも追従する方が出てくることに期待します。
何しろ、日本の個人金融資産は1,400兆円。
過剰貯蓄を即刻やめて、未来のために投入する必要があります。

と言っても日本では利己的な吝嗇家が殆どですから、
政府による社会保障給付と税制の「適正化」は絶対必要です。





『ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態』(ロバート・フランク,ダイヤモンド社)


実は、日本はフィランソロピーやチャリティーにおいて
アメリカに完膚なきまで負けています

(上掲書を参考のこと)

そういう方面でもっと競って欲しいものです。
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