mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

「関係」への不審感

2023-09-01 11:34:02 | 日記
 農水大臣が「原発汚染水」と呼んで非難されている。あの水を「原発処理水」と呼ぶようになったのは、誰がいつからなのか知らないが、「汚染水」と呼んでどこが間違いなのかと思う。ま、「汚染水」という直接の表現では、薄めたからと行って水に流せるわけじゃないとわかっているから、「処理水」と呼ぶようにしたのであろう。だから、政府の中枢が「汚染水」といってはまずいよというのであろう。それをしかし、マス・メディアまでが非難するようになると、ちょっと違うんじゃないのと思う。
「原発汚染水」を「処理する」って、何をどうすることか。生成AI・Bingに聞いた。
《日本政府は、トリチウム以外の放射性物質を除去する多核種除去設備(ALPS)を使って処理した水(処理水)を海に放出する方針を決めました。》
 と返事が返ってきた。この放射性物質の除去をした「処理水」が国際標準に適合していると判断したのは、国際原子力機関(IAEA)である。2023年7月に包括報告書を公表した。それによると、(1)ALPS処理水の海洋放出へのアプローチは関連する国際的な安全基準に整合的である。(2)ALPS処理水の海洋放出が人や環境に与える放射線の影響は無視できるものである。(3)IAEAは放出前、放出中、放出後もALPS処理水の放出に関与し、追加的なレビューやモニターをおこなう、という。
 ふんふん。国際原子力機関(IAEA)自体の値踏みをすることは私にはできないから、「安全基準に適合」という結論を受け容れるしかない。だが、スリーマイル島にせよ、チェルノブイリにせよ、原子力(擁護普及)に関する国際的な専門家スクラムがあるのかないのかワカラナイから、科学技術や国連の文化保険活動に関する寄せるのと同程度の信頼にとどまる。
 でもトリチウムは除去できないんだ。どうして? 生成AI・Bingはこう答える。
《トリチウムは水素の同位体で、原発事故で発生した汚染水に含まれる放射性物質の一つです。トリチウムは水と同じ性質を持つため、水から分離するのは非常に困難です。》
 トリチウムのもつ放射能の半減期は12年ほどになるが、水と同じ性質を持つため、体内に蓄積されることもなく、「無視できる程度」と判断している。また別の報道では、トリチウムの海洋放出は、中国、韓国、フランス、イギリス、カナダなども行っているというから、フクシマのそれが特段のものでないのであれば、まあ、致し方ないか。と、「汚染水」と思っている私も渋々同意する格好になる。
 ではどうして、中国は反対するのであろうか。
 福島原発の引き起こした事態に対する政府や東電など、原子力発電関係者の振るまいが信頼できないからだとワタシは感じている。そもそもフクシマが起こったとき、あれほどの(空間と時間)避難をしなければならないほど深刻な事態だったではないか。
 ただ単に感情的な恐怖反発というのではない。いわば生存に関する直感的な「畏れ」が、東日本大震災を機に一気に噴き出したといっていい。その子細を一つひとつ取り上げていけば、政府や東電や原子力関係者が「科学技術的な次元の説明」に終始し、実運転していく上での万全を期していなかったという事実が暴露されたこと。原子力発電採用の正当性の経費計算すらも、あの手この手を用いて、安上がりで合理性があると説いてきたこと。それは、国民や住民を騙しに騙して、原子力推進の結論ありきで国民を操作するような振る舞いであったこと。しかもフクシマの事故を踏まえて路線転換を表明しておきながら、それを忽ち崩すように原子炉の耐用年数の上限を伸ばし、環境という別次元のモンダイを持ち出して反故にしようとしていること。その他の核廃棄物についても、「中間貯蔵施設」という呪術的(マジカル)な言葉で誤魔化していると日々感じていること。さらに「汚染水」の始末もそう、汚染土の始末もそう、フクシマの復興に関しても当初の方針を覆して、「どうにもならない事態に直面している」と状況逼迫するまで放置して、その所為にして朝令暮改の方針転換をしてきたこと。
 こうした政府や東電、原発関係者の「真実を語っていない」という事実の積み重ねが、漁業者や住民、国民の不審感になっている。政府は(好き放題に)勝手にやっていると思っているのだ。
 それを、マス・メディアも一体になって進めていると思い当たったのが、農水大臣の「原発汚染水」に関する報道のスタンスだ。それだけではない。中国が「水産物の輸入禁止」を掲げた。いうまでもなくそれが、「政治的思惑」の産物というのまではイイとしても、それがあるから、日本国内でそれに同調するような発言が出て来るのは「けしからん」という風潮が、メディアを中心に形づくられ、庶民の不審感が押さえられてしまっている。まるで、一億火の玉、鬼畜中国って雰囲気だ。原子力関係者は、中国の反発をありがたく思っているんじゃないかね。
 こいつは、参ったね。
 それにしても、一つワタシに疑問が残ったまんまになっている。
 先程述べたが、トリチウムの海洋排出は、中、韓、仏、英、加などもやっているとうこと。しかも中、韓などは今回のフクシマの何十倍もの濃度の排水をしているというのに、なぜ、中国は自らのそれを棚上げして、フクシマのそれをかくも執拗に非難するのか。またなぜ、日本政府はそれを俎上にあげて中国に反駁しないのか。誰も説明してくれない。
 もしそれを国際的に遣り取りするようになれば、原子力発電そのものの前途を塞いでしまう国際的な課題にしてしまうから、それをおそれて非難に踏み込めないのではないか。そうだとすると、実は、IAEAもその(国際世論をミスリードする)一角に位置していているんじゃないかと(棚上げしてきた)ワタシの不審が頭をもたげる。フクシマ汚染処理水の海洋放出の適合性自体を疑わせることになる。中国も韓国も(原子力発電に関しては)、そういう茶番劇の後追いメンバーだから、自分が何か手を汚して原子力発電スクラムを護ろうとは思っていない。だから、執拗に「政治問題化」して恥を知らない。
 日本政府や欧米の政府は、自分たちがそのスクラムをつくってきたが故に、それをぶち壊すほど恥知らずではないということか。
 市井の老爺の妄想は、こうして、自問自答している間にも、ますます膨らんで暴走する。どなたか専門家の方、応えてくれませんかね。

コメントを投稿