-写真の部屋-

奥野和彦

レンズ考11

2021-02-11 20:22:15 | 写真
さて、めんどくさいですよぉ
長くなりますよぅ


ソニー標準ズームレンズの50mmあたり


テッサー50mm


サムヤン35mm


ジュピター35mm


ソニーPZ (APC-S)用標準ズームの50mmあたり

絞りは5.6で統一
当然撮ったままいじらずのデータ。
やって見たけれど
こんな風にしてしまうと
カメラ雑誌のテスト記事みたいで好きじゃない。
自分で好みで考えれば良いね。

まあ、真ん中のレースの写り具合だとか
外に干してあるTシャツの調子の出具合だとか。
オールドレンズ(テッサーとジュピター)は
発色が青っぽくて(あるいはSONYが黄色っぽい?)
コントラストが強め、額縁の下の影が暗い。
(ブログのページでは分かりにくくなってる)
それが自分の撮ろうとしている写真にとって
どう現れてくるかを考えてみる。
カーテンの左側にベランダのレンガ貼っぽい壁が
写っているけれど
これがどちらかと言うと外側に膨らんで歪んでるのが
ソニーのズーム2本と、テッサー
内側に歪んでるのがジュピター
ほぼ真っ直ぐなのが韓国レンズのサムヤン
デジタルだから直せるんだけど
女の人を撮ったときに膨らんで写るのはダメだよね。
ソニーの標準ズームは廉価の方だけど
そのレンガのところが他の4本より大きくボケている。
サムヤンはさすが現代の単焦点レンズだけあって
成績いいと思う。純正で造らない、レンズメーカーでも
造らない、普通のスペックの単焦点レンズを
韓国のメーカーが作ってくれてる。

私の購入してくる
オールドレンズは70年代のものと書いたが
その頃はまだモノクロ写真も多く使われていた。
レンズが東欧、ソビエト時代のロシア物だと考えると
欧米や日本の資本主義国の市場に比べて
まだカラーフイルムの利用は少なかったか
レンズの設計的にもカラーの発色までは
重要視されていなかったかも知れない。
どうだろうね。

私がこの違いで撮られたそれぞれの
ネガフイルムを持って暗室に入り
引き伸ばし機の前に座ったら
どのレンズで撮られたものを
プリントし易いと感じるのか。
柔らかでまろやかだと感じていたテッサーで
写したTシャツは白く飛んでしまっている
その調子は出るのか。
白黒フィルムだとまた違うのか。
ま、謎だね。突き詰めてやれば分かるだろうし
そのままでそれぞれの「味」と考えて
知っていれば切り札になったり、それも良しだし。

某日
この間買ったテッサーレンズを付けて
仕事場で使って見た。
全然駄目だった。
というのは、あまりにも
現代のオートフォーカスのスピードで撮るテンポに
撮り手も写る人も慣れてしまっていて
そのペースではピントを合わせられず
シャッターが切れない。
もっと1枚1枚をゆっくり話しかけながら
撮るような撮影なら良かったかも知れない。
もちろん普通のレンズで仕事はしているので
それで問題はないが
味付けでもう1パターンと
思って撮った写真はピントもこけ、
シャッターを切るタイミングもずれ、
どうにもならなかった。
もっともっと使って、慣れないとね。
つまり、
簡単に済ませようとしない方法を取るなら
そこに努力や訓練が必要になって
それでオリジナリティが完成されるということも
あるんだよね。