野球に行く前に
YouTube。ハイロウズ
の「青春」の動画を見
て口ずさんだ後、
「ウルトラマン」を
見て正義に歓声を上げ
る。 3年生
彼の中にも「混沌」と
「混乱」と「狂熱」は
もう生まれている。
いつまで続き、どれだ
け悶えるのか、でも
もう「青春」スタート
ラインにはたどり着い
ているだろう。
練習試合、4打数無安打2四死球1振り逃げ
フライ2つさばき、ゴロ2つさばき、トンネル1つ。
ゴロを捕る目の前を通過して行くランナーにタッチを
試みるがスルーされる。「ツーアウトなんだから、
1塁に投げりゃいいじゃないか」と声がかかる。
でも、タッチに「行って」しまう。いいんじゃないか。
試合は16-6で勝ち。
お兄ちゃんたち上級生は越谷交流大会予選リーグ戦
の最終戦。13-0。全勝で決勝トーナメント出場を
決める。でも先週19-0で屈辱的な負け方をしている。
彼らはすでに混沌の真っただ中。
そしてまた、泉のように湧いて来る新しい「光」
青春の湧き出て来る様を毎週見るようだよ。
素晴らしいや。
久しぶりの野天の夜で、初めての場所で
今頃どうしているだろうか。
”かめひろ”は5月に家にやってきた。
拾って来たときは本当に銭亀で、甲長3センチの
かわいい子ガメだった。臆病なやつだったが次第に
家族の手からエサを食べるようになり、外へ出たいのか
エサをくれ なのかガリガリ水槽を引っ掻いて
デモンストレーションするまでになった。初めは5粒ぐらい
しか食べられなかったカメのえさを20粒ぐらいバクバク
食うようになった。
ただ、最近はすっかり子ガメではなく、若者ガメぐらいには
成長し、甲長は8センチになった。水槽では運動が足りないのか
元気がないし、かといって運動もベランダ程度では物足りない。
4ヶ月の間、私たちを楽しませてくれたが
ここらで自然に帰してやることにした。
カミさんは、「お父さんはいよいよ亀に話しかけるように
なった」とバカにしたが、洗濯物をベランダに干すときに
いつもそばにかめひろがいる配置なので、なんだかんだと
話しかけ、どうせお父さんにもらってないんでしょとか
なんとかいいながらエサを与えたりしていた。
かめェ、と呼ぶと首を伸ばす。別に自分の名前を認識
している訳ではなく、エサをやるときはそうしていたから
もらえるんか?と思って首を持ち上げているにすぎない。
いつもタナゴ、小ブナを釣りに行くきれいな水の流れている
たんぼの用水路に放す事にした。
助手席に乗せて走り出す。 もといた茨城に返すべき
かと思ったが、ここには同じ種類の亀が天然で泳いでいるし
おともだちでも、おむこさんでもおよめさんでも見つければ
よろしい。もといた場所より水もきれいだ。
それに、これから先、そこへ釣りに行くときにもしかしたら
かめひろに会えるんじゃないかという期待がある。会える訳
ないが、そう思ってしまう。なんなら釣りをしながら
いつもあげているように、エサのプラスチックボトルを
ジャラジャラ鳴らし、かめェ、と呼べば水際をヨタヨタ上がって
来るんじゃないか、そう思ってしまう。
かめひろを水に放し、フナ釣りをした。夏の終わりの魚は
よく太りコロコロとしてよく釣れた。50センチはあるか
という鯉もかかったが、5分間のやりとりの果てに糸を
切って逃げた。
かめひろはすぐに砂泥に体を埋めて首だけ出してしばらく
じっとしていたが鯉とのやり取りの間に一回いなくなった。
釣りに集中しだして、ふと気がつくと
かめひろと同じクサガメのちっこいのがちょこちょこと
泳いでる。あ~こんなのが出て来たらまた
持って帰っちゃうよ…。と思って良く見たらそれが
かめひろだった。
自然の中で見たらやっぱりまだ小さい。こんなもんか。
また、泥にもぐって首だけ出した。大丈夫そうだ。
かめェ、と呼んでみたが、首を出すどころか、引っ込めた。
泥にもぐって顔も見えなくなった。 それでいい。
では、さようなら。 New Field… か。