-写真の部屋-

奥野和彦

ガン見

2021-02-06 21:05:10 | 写真


閑話休題

ザラザラの写真。
浅草の猥雑な感じを写真に撮ろうと思って
何度か通っていた頃の写真。
その後、アサヒカメラの持ち込みページに
応募して掲載してもらった事がある。
これはその時に使っていないが
街頭でのスナップショットの面白さが
分かり易い1枚かも知れない。

多分自分は
あー、アダルトビデオ屋さんね、と
冷やかし気分で撮ったのだろうけれど
後から見ると色々な事が写っていて興味深い。
街中でのスナップ写真ではシャッターを切る瞬間に
画面の隅から隅まで何を捉えてるかなんて
分かっていないことの方が多く
だからこそ、面白かったりもする。

子供は興味があるけれど見ないようにしてるのか
つまんないよ〜早く花やしき行こうよ〜なのか。

お母ちゃんなのかばあちゃんなのか微妙な感じの
女の人が誰よりもガン見である。
その頃、ガン見なんて言葉なかったけれど
ガン見と打ち込むとちゃんと変換されて出るんだね。

首からぶら下げたコンパクトカメラは CHINON
AUTO GLというらしい。
コンパクトカメラは皆こんな形してたなあとか。
後ろの男は通りがかっただけかも知れないが
お店の写真をさりげなく見てなくもないようだ。
まあ、いいや。
どうあれ写真はやっぱり面白い。


レンズ考7

2021-02-06 19:05:51 | 写真


今、人が手作業でする現像プリント作業というのは
世からほとんど無くなって
私の食べるための仕事は撮影業に限られている。
仕事を受けるということは
仕事を出してくれる人に使ってもらえる写真を
提供する事なので
ザラザラの荒れ荒れではダメなんだけど
かつての色々な経験の選択肢の中から
今度の仕事にはこんな事も出来るんじゃないか、とか
考えはするのだ。



全然レンズの話じゃなくなってるじゃん。
過去にもここで私が使っているカメラを
紹介した事があった。
その中には一生ものだと言い切った
テッサー(レンズ)付きのローライフレックス、
その後、カラーネガフィルムを詰めて
あちこち旅をしたMakina67、
それらは、もう手元に無い。
どうしても感材の製造中止や
安定して供給されない事態になっているので
出番が無くなってしまうのだ。
ローライフレックスはそのテッサーが
付いていたから使っていたようなもので
もっと上級機種には違うレンズも付いていたけれど
テッサーの素朴な感じの撮れ方が好きだった。
写真は子供が水疱瘡にかかり
熱もあるんだか少し元気もなく
ぼやーんとした日の写真。

レンズ考6

2021-02-06 00:09:21 | 写真


テッサーだの何だのとまた知ったかぶりが始まっている。
そんなに詳しい訳じゃ無い。
他人ばかり不勉強だと責めてちゃいけないな。
仕事上、いろいろなネガやポジを見てきたから
少しだけ違いが判る。
もっと高価なレンズを取っ替え引っ替え使える
大家に言わせれば
テッサーは人を撮るには向いていないよ
というだろう。
カリカリでカミソリ見たいな切れ味と
書かれているのを見たこともあったし
重厚な発色と書いてあったこともあった気がする。
付いていたカメラのボディ、カメラの性格によって
撮れ方も違ったのだろう。

70年代のある時期に
ラインナップされていたレンズの中では
安価で、オールマイティで、かさばらなくて、
という位置にあったようで
鏡胴に入っているレンズの枚数も少ないし
贅を尽くしたポートレート専用レンズとは違う。

このレンズ考を書き始めて
思い出した事があって
その経験の中では
テッサーはまろやかなレンズだったのだ。