ほぼ10日ぐらいか
久しぶりに休み無く仕事があって
食う時間もバラバラ、寝る時間もカスカス
仕事の写真はいやと言うほど撮らされ、いや撮らせて頂いて
1枚たりとも自分の写真を撮ることを思いつきもせず
ひたすらに、次の場所から次の場所へ
間にまた、明後日する撮影現場の下見に行ったり
やっと一息ついて新宿西口でレッドブルから
翼を授かったりしていると
派手な格好をした女の子二人が
ほぼ泣きながら地下道の階段から上がってきて
どうやらバスの出発時間が迫っていてバスタに行きたいらしい。
バスタに行きたいの?と聞いたら
半べそかいてうなづくので
そこの交差点見えるね、あっち側の角に大黒屋っていう看板がある
あそこへ渡って左側へ歩いたら100mぐらいで着くよ。
ありがとうございますと言ってダッシュをしてく。
車で動いた日もあれば
一日タクシーと電車で歩き回る日もあって
腰が痛くなったり、
そういえば、ある背景をバックに写真を撮ることになって
その背景がとても良く見える建物の屋上に下見に行った。
1度目はゲリラ雷雨にやられて下見が出来ずに帰り
数日後に行った時にはピーカンで
今度はそこにいるだけで、一夜干しになるような感覚。
重い機材を階段で持って運ぶのだが
そこの施設の担当の女性が妊婦さんで
私たちスタッフが来るたびに
重そうなお腹を抱えて屋上までの階段と
パイプの這い回る、足を引っ掛けそうな屋上を行ったり来たりしてくれる。
機材も重いけれど、妊婦さんも大変だ。
ある日にはスタッフがあれやこれやと動き回っている間
一人ぼっちになって、屋上の水捌けのために塗られたペタペタの塗料の上で
座り込んでカメラを覗いたりして(かなり低い位置から煽る撮影なのだ)
その塗料の粉になったのがお尻について、もうなりふり構ってもいられないなぁ
誰かモデルになってくれないかなあと思っていたら
妊婦さんがそばに来たので
ちょっとそこに立って立ち位置調整のモデルさんになってもらう。
その写真が秋の口の真っ青な空に
東京タワーの赤と白がスッと立って
思った以上に妊婦さんの爽やかな笑顔とお腹の感じが
よく写ったので
本番で訪れた日にそのプリントを差し上げた。
どこかの知らないおじさんが
自分の写真を持っているのはキモいかも知れない。
産まれてきたらお母さんと一緒にお仕事頑張ってたんだよ
の記念になればと思って渡しては来たけれど
ドン引きかも知れない。
ありがとうとは言ってくれたけど。
でも、まあ撮影で訪れた先での恥は掻き捨てだと思っているのでそれでいい。
今日になってやっと何も無い日が訪れて
朝から腰には湿布を貼り
無くて困っていた牛乳とその他の食材を買いに出て
機材と、撮った写真の整理もして
さぁ来週よ、いらっしゃい。