人1人に大きな影響を与えた人たちが亡くなってゆく。
暮れに叔父を一人亡くし
今年に入って高橋ユキヒロ氏、そして鮎川誠氏が亡くなった。
自分の持っているもので一番古いものはなんだろうと
時折考える。
自分の身体が生まれた時からあるものだが
これは新陳代謝を繰り返しているのであたらないだろう。
後からビンテージ的な興味で買ったものもちょっと違う。
発売当時にそれを買って今でも捨てられずに持っている物。
捨てたくなくて持っている物、のなかに
YMOの『OMIYAGE』という写真集がある。
昭和56年 1981年発行である。
1980年のワールドツアーの写真を柱に
その当時のメンバーのオフショットや
機材に至るまでありとあらゆるものが写っている。
ソリッドステイトサバイバーでギターを弾いたのが鮎川誠である。
カメラマンは三浦憲治さん、アートディレクターが奥村靭正さんである。
この二人がいなければこの本は出来上がらない。
私は狂信的にYMOが好きだったから
この本を特によく出来たものと思うのかもしれない。
同じような本はAKBでも乃木坂でも欅坂でも出るのかもしれないが
演奏中の靴まで撮ってあるのには感心する。
一度、自分も来日会見中のキアヌ・リーブスの靴が
カッコ良かったので靴だけ撮った事がある。
88ページに今まさにステージに出て行こうとする3人が
緊張感に満ちた表情で写っている写真があり
ページの下にYMOからの少しふざけたような
しかし、当時の彼らの本気のメッセージが書いてある。
こんな文章を今日またこの本を開くまで忘れていたが
この本を眺めていたおかげで
自分に回ってきたエンターテイメントの仕事を
撮ってみようと、やってみようと思うように
なった奴がいるんですよ、と答えてみたい。
でも、もうユキヒロさんはいない。