-凸凹帖-

写真 奥野和彦

2016-09-29 21:46:00 | 写真


隣は何をする人ぞ

深きというほどには深くない。
まだ蝉が鳴いている。

キンモクセイの香りが風向きによっては匂ってくる。
人の顔が誰だか判然としないぐらいに暮れた夕暮れ時に、外にいて
キンモクセイと夕飯のおかずとお風呂のシャンプーの匂いがしてくると
何かとても懐かしい気分になる。

討論会

2016-09-27 23:36:20 | 写真


話の向かう先がとんでもない方向へ変わっていく話。
最近は舞台挨拶などのイベント中にテレビカメラと
同時に撮り続けていると、フラッシュが視聴者に悪い影響を
与えかねないとして冒頭登壇者の挨拶が終わったら
フラッシュを止めて撮るようにと指示がある。

フラッシュを使わないで撮る露出データを
あらかじめテストしておいてその数字を手のひらに書いておく。

そばで見ていた宣伝マン(女性)が
トイレに行って手を洗ったら消えちゃいますね、というので
手の内の主に用を足す指の方をしっかり洗えば良いのであって
ここは濡らさないようにすれば良いのだと言ってやる。

その後、トイレに行きたくなってそのようにして
戻ってきたら「消えてない。手を洗いませんでしたね。」
と笑うのでさっき言った通りにしてきたのだ、と言ったら
本当かなぁ というような顔をするので
じゃあ、俺は手を使わずにホールドアップの体勢でいるから
吐き出し口の部分を、誰かが後ろから手を回して
横向かないように持っていてくれればいいのだと言った。
彼女は冷静かつ冷ややかに、

「そんなことしなくても、座ってすればいいのです。」

家では当たり前に座ってしている。
便器の水が溜まっている所と、体からの吐き出し口が
小さい頃のように近ければ良いが
だんだん背が伸びて距離を置き始めると
それだけ水が跳ねてそれが飛び散っているかと思うと
衛生的でないと感じ、自然と座ってするようになった。
奥さんにも言われるんじゃないですか、と言うが
奥さんに言われてしょんぼりとしている訳じゃない。
進んでやっている。

昨日のこのブログへの訪問者数は110人だそうだ。
進んで見に来ている。
写真と文章が全く関係ない。明日は何人の人がこれを見て
情けない思いをされることか。野球の話も出てこないし
鷲越ファンの方には申し訳ない

が、

今日行われた、トランプとヒラリーの世紀の討論会より
よっぽど興味深い話であろう。




ちょっと遠い

2016-09-16 22:47:57 | 写真


首筋痛ひどし。
痛み止め飲んで仕事。

緑でも眺めて。
あの薮の下の農道を歩いている感じを想像してみる。
体にまとわりつく湿気、草木の匂い。
じゃりじゃりと足音。虫の鳴く声。
田んぼ沿いの用水路を覗くと
小魚がいないかな。
草むらに踏み込んで露に濡れる靴。
逃げる蛙、イナゴ。

すべり台

2016-09-13 19:13:06 | 写真


次はまた海のある方へ行こうかね。

こだわってカラーフィルムで撮っていたけれど
今回からデジタルカメラに変えた。
同じクオリティにしようとすると
仕事用の一番大きい重たいカメラになる。
でも、6x7のフィルムカメラも大きかったから
大体同じことだ。
違うのは、このデジタルカメラだと一眼レフの
大きなシャッター音がするので静かな田舎の町の中で
写真を撮ろうとするときに、目立ってしまう。

これは車窓からの写真だけど
これぐらい離れていても場所によっては振り向かれる。
気付かれたら会釈すれば良いことだけれど
ここに植わっている稲にシャッターを切っても
何事もなくそこにそのまま揺れているように
人にも何も感じさせず、静かにコトンと頂いて
その時間の風景のまま波紋一つ立てずに立ち去りたい。
縁側で寝ている猫やおじいさんがいたら絶対起こさずに立ち去りたい。
自分の写真はそういうのが良い。







夜の駅

2016-09-09 21:09:03 | 写真


田舎へ行くと
電車の扉はそばにあるボタンを押して自分で開け閉めする。

スピードを落としてホームに停まろうとしている窓から
ボーッと外を眺めていたら、改札の外の街灯の下に
大きなクワガタが歩いているのを見つけた。

ボタンを押して駆け出して、ちょっと拾いに降りていきたいが
跨線橋を渡ってさらに改札の外の地面なので
とても捕りには行けない。

釣りの神様

2016-09-08 01:18:50 | 写真


やっと3日ほど空くから
長男の使い残している青春18きっぷを使ってどこかへ行こうと企てる。
普通列車で日帰りでどこまで行けるか
あっちこっちプランを練るがちょっとでいいから釣りもしたい。
台風の接近に伴って、予報は雨。最終的に2ヶ所にしぼってあったが、
片方は朝のニュースで早くも運転見合せと言っている。
もう一方は本当かなぁの曇りの予報。家を出る時間が1番のザーザー降りで、
迷ったあげく予報を信じて出る事にする。

そこを目的地に選んだ理由として、
好きな写真が撮れそうな町があること。
そしてかねてより釣りたかった日本産タナゴがいそうにないか。
グーグル地図を見ると駅のそばに田んぼの用水路がある。
Y形県にはその在来タナゴがいるのが分かっているけれど、
その駅のそばの見たこともない用水路を地図だけ見て
日本全国の中からピンスポットで選んで、
小っちゃいタナゴを釣りに行こうというクラクラするような旅である。
だいたいグーグルじゃ水が流れてるかどうかもわからない。
そうそう もう1つ。ダメだった場合、
そばに温泉施設があるのでそこで仕事と日ハム杯の汗でも流してくれば良い。
先週まで野球の女神様にお世話になったけれど、釣りの神様にもお願いしたい。

久喜からJRに乗り換える頃には雨が上がっていて
那須まで来たらいいお天気だ。
そのまま、各駅停車に揺られてY形県に入る。
目的地にしていた駅が見えてきたけれど人のいる街中とは
離れていて、どうやら写真は撮れそうにない。
そのまま乗り越して行こうかと思ったけれど
タナゴダーツの矢がそこに刺さっているので降りる。ダメなら温泉がある。



写真、5コマぐらい撮ってもう何もない。
用水路らしき流れが見えて来て、結構な勢いで清流が流れている。
竿を一本と最低限の鈎の替えと冷蔵庫に常備の黄身練りエサを持って来た。
そうっと覗いてみると魚がいる。長いやつはオイカワかモロコ、
オレ、埼玉から来たんだぜ。
とりあえずエサを入れてみるとまずモロコ。
次にアブラハヤ、そしてオイカワと釣れてくる。
しばらく試すけれど、それ以外の魚が上がって来ない。
草むらを10mぐらい掻き分けて行くと勢いの良い流れから分かれて
少し緩い用水路がもう1つある。



そこへエサを入れると、あれ!タナゴだな。
いつものタイリクバラタナゴじゃないぞ。
小さすぎて何タナゴかわからない楽しさ。
大きいのが釣れ始めて5匹目ぐらいでオスが釣れ、
ヤリタナゴだと分かった。それからは入れ食い。
綺麗で、丁度良い大きさのやつは連れて帰りたいと思って、
雨用に持って来たスーパーの袋に何匹か入れた。
天気はカンカン照り。汗だくになる。お茶持ってて良かった。



釣りの時間が過ぎるのは早い。ちゃんと写真の撮れる町にも行かないと。
その行程を考えると、タナゴの入ったビニール袋を持って歩くのは考えられず、
帰るまでに死んでしまうだろう。やっぱり放してやる事にする。
運搬用には酸素が要るし、その準備まではしてられなかった。
列車の本数が少ないから駅まで歩きながら竿をたたむ。
温泉どころじゃなかった。
温泉はまたいつか。いつかがあるならまた遊ぼう。
今度は大きなバケツを持って来るぜ。
この黄身練りの匂いには気をつけるんだね。
あばよ!