この丸い縁の感じだな。
昨日の金盥と同じあの。
まだ、ウィキペディアもあったかどうかの時代で
会社は銀座だったし
何より中古カメラ屋へ見に行くのが早かった。
はあ、これがスーパーイコンタで、テッサーか。
飴ちゃんみたいなキレイなガラス玉レンズ。
テストプリントの後、
写真展をしようと思っているという話になって
なんか変わった印画紙ないかな?
で、当時は色々選べたモノクロ印画紙の中から
これ、どうでしょうか?と持って行ったプリントが
気に入ってもらえて、いざ本番プリントと思ったら
現像ムラがひどく出てとても納品できない。
日によって、時間によって現像液の
濃さや温度の状態が微妙に変わる会社の現像機では
プリントにムラが出来るのだった。
テストの時はたまたま上手くはまってたらしい。
それを伝えに行くと
どうしてもこれでやって欲しい、何とかならないか?
と仰るので、自宅に持って帰って自分のうちで
現像バットでやらせてもらうことにしたのだ。
会社は痛し痒しだったろうけれど
自分としては面白い仕事をさせてもらったと満足していた。
が、直後に胃潰瘍で倒れて入院してしまったので
写真展は見に行けなかった。
病院のベッドでは、退院したら
テッサー付きのスーパーイコンタを
手に入れる事ばかり考えていた。
こちらはこちらで完成。
恥ずかしいので控え目に。