粕尾川に最初に行ったのは92年ごろ
渓流釣りをするのに自宅から簡単にいけるホームグラウンド的な川を探してそこになった。
粕尾川というのは、栃木県を流れる思川の上流部
鹿沼市粕尾地区を流れる部分の呼名である。
字ではこう書くが音では「かそうがわ」になる。
当時から東北道は通っていたものの、
栃木インターから釣り場に向かう途中までは
地場産業の石灰石を運び出す10トンダンプと石灰で白茶けた細い道を
おっかなびっくりすれ違いながら走る行程だった。
それでも、採石場を過ぎて、
小さい山ながら越すのが大変な峠を1つ越えて粕尾の町に入ると緑が戻り、
清流が流れて、その川沿いに人が暮らしていた。
民家も商店もみな古い旧家的な佇まいで、
飲み物を買ったりエサを買ったりして、土地の人と話をするのが楽しかった。
写真もたくさん撮った。当時は子供だろうが大人だろうが、
声をかければ写真を撮る事は怪しいことではなかった。
ヤマメ釣りは下手で中々釣れなかったけれど、手ぶらで帰っても楽しい1日を過ごせた。
野球が上手くなりたい、カラオケで上手に歌いたい、
ゴルフが上手くなりたい、のと同じように
渓流釣りを上手になりたい。
マブナやバラタナゴとは釣り方も違うし、難しい。
当時はまだインターネットも無かったので本に頼る。
月刊の釣り雑誌の他に、渓流釣りの専門書。
その中で見つけた郡上八幡の職漁師の本はバイブルとなった。
解ったつもりで川へ行くが、中々釣れなかった。
ヤマメ、イワナの釣れる川には禁漁の時期があり
釣っていいのは3月〜9月。
その間に釣りに行ける回数はそう多くない。