英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

鎌倉殿の13人 第9話「決戦前夜」

2022-03-08 12:43:57 | ドラマ・映画
普段、怒らない人が起こると恐い
普段、ふわふわしている人が真面目なことを言うと、説得力がある

   ……今話の主役は北条時政(坂東彌十郎)

「坂東武者にとって何より大事なのは、所領と一族。それを守るためなら死に物狂いで戦う。
 清盛が憎いからじゃねえ。おのが所領が懸かっているから戦うまで。
 その辺のところを考えてやって下せえ
 ……戦で命を張るのは、儂らなんだっ!

敗走する追討軍を追撃したい頼朝だが、兵糧不足や領地の危機から所領に引き返す板東武者達
《追討軍を追い払っただけで十分、一旦戻って立て直しましょう》と義時は進言するが
「この好機を逃さず、一気に京に上り、清盛を討つのじゃぁ!」(←意訳)といきり立って命じる頼朝に対する時政の言だ

 ちゃらんぽらんでいい加減、自分の令に「ははぁ~」と従っていた義政が、頑として訴える……さすがの頼朝も引いた。

 そんな訳で、今話は時政のポンコツぶりが際立っていた……
★今週の 体たらくな北条時政
気が回らず役立たず状態を、頼朝に
「儂の舅でなければなあ、時政、お前なんざ、とっくに放り出しておるわっ。政子を有難いと思え」
と怒鳴られる

(頼朝もきつく言い過ぎたと反省。時政にしっかりしてくれなければ困る。自分と坂東武者の鎹(かすがい)になれるのは、時政しかいないという気持ち)
“ちゃらんぽらんさ”を三浦義澄 (佐藤B作)に
「頼むから、もう少しちゃんとしてくれ」
言われるが、受け流しへらへらする態度に、業を煮やした義澄に
「儂らの肩には、大勢の坂東武者の命が懸かっておる、己が何をすべきか考えろ。しっかりしてくれ」
と叱られてしまう

 しょげる時政に、
「この世で一番みすぼらしいのは、しょげている爺だ」と励ます三浦に
「俺の頬っぺたを思いきりつねってくれと」頼む時政の頼みを受け入れ、三浦がつねったが、
痛さに、怒って思わず大声と大きな音を立ててしまう……
  …………しかし、これが幸いし、物音に驚いた水鳥が一斉に羽ばたき、その羽音を敵襲と勘違いした追討軍が慌て逃げ出してしまった……


富士川の戦いの有名な逸話だが、三谷氏は、頼朝軍の夜襲に水鳥が驚いたとせずに、義政のちゃらんぽらんさから発生したとした

思惑が外れた武田信義(八嶋智人)
 頼朝を出し抜いて夜討ちを掛けようとしていた武田信義(八嶋智人)思惑も崩れてしまった
 追撃はしたと思われるが、奇襲のタイミングがズレてしまったのと、頼朝軍が共闘しなかったので、軍勢不足で深追いはしなかったのだろう
 実際に追討軍を驚かせた直接の因は義政なので、信義も自分の功績とは誇れなくなってしまった

☆八重(新垣結衣)と伊東祐親(浅野和之)の危機
 和田義盛(横田栄司)と畠山重忠(中川大志)が頼朝の命を受け、祐親を捕えようと向かう(“手向かうなら斬り捨てても構わぬ”という指示)
 《頼朝に八重は渡さぬ》と祐親は考える……
 …………ふたりを救おうと、義時(小栗旬)と三浦義村(山本耕史)は伊東へ急行

 いざとなったら八重を殺せという命を受けていた江間次郎(芹澤興人)だが、手に掛けることはできない。
 「逃げろ」という次郎の手を握り「一緒に逃げよう」という八重。そこへ善児(梶原善)が現れる。
 八重を逃がそうとした次郎を躊躇わず殺害、八重ピンチ!
 そこへ救世主……義時ではなく喜村……

 最後まで抵抗しようとする祐親を説得する義時と喜村
 祐親を捕えよう(討とう)とする義盛と重忠の前に立ちはだかったのは……義時ではなく喜村。格好いいのは喜村……

それにしても、上記の〈兵の撤収〉や〈祐親の説得〉をはじめ、説得シーンが多かったなあ
頼朝に対して、祐親の助命←義時、政子
「良き孫たちに恵まれましたなあ」(頼朝)

政子にたいして、八重を侍女にすること←義時 &実依(宮澤エマ)
「私、深さを見せつけたいほどの懐、持ってませんから」と言いつつ、厨の仕事を命じて侍女を認める政子(確かに、懐は深くない・笑)
さらに、
「八重さん、お気持ちを察し致します。これよりは共に、佑殿を支えて参りましょう。それぞれの立場で
  「立場」という言葉を添え、念を押す政子


「(頼朝より)何より大事なのは、所領と一族」と坂東武者を代表して、義政に言われ、孤独感を味わう頼朝だったが、
義経(菅田将暉)と対面する
「よおぉ来てくれたあ」と心からの抱擁……
……顔は似ていないよなあ


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」


【ストーリー】番組サイトより
ついに鎌倉入りを果たした源頼朝(大泉洋)の一党。敵対した平家方を捕らえるため、頼朝は競わせるように和田義盛(横田栄司)と畠山重忠(中川大志)を派遣。これを知った北条義時(小栗旬)と三浦義村(山本耕史)は、祖父・伊東祐親(浅野和之)と八重(新垣結衣)を救うため急ぎ伊東へと向かう。そのころ、都を出た平家の追討軍が東海道を進軍。甲斐では、出陣を約束した武田信義(八嶋智人)が義時の父・時政(坂東彌十郎)に……

脚本:三谷幸喜
演出:吉田照幸
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新型コロナウイルス その135「東京マラソン開催について」

2022-03-07 10:57:01 | 時事
 2月の初旬に、東京マラソンの開催の可否の判断を2月18日の理事会で決めると発表したという報道がされたと記憶しているが、その後、開催についての報道が、少なくともNHKニュースなされなかった(朝と夜のNHKニュースは録画してチェックしています)。もちろん、開催されることは知っていたが、一般ランナーが参加しているとは思わず、中継を観て、驚いた。
 スターターは小池都知事で、走破を後押しするような声掛けをしていた。

 都はまん延防止措置の延長が決定したはず。大規模なイベント開催は、それに矛盾している。
 延期期間は3月7日~21日なので、マラソン開催の6日は直接は関係外で、措置の対象期間はそれ以前の通達が有効ということになる。

『東京都の防災ホームページ』「【2月14日から3月6日】イベントの開催制限等について」によると
[人数上限]
・5,000人
・「感染防止安全計画」を策定し、東京都による確認を受けた場合、20,000人
・「感染防止安全計画」の策定に加え、「対象者全員検査」制度を活用し、20,000人を超える人数について陰性の検査結果を確認した場合、収容定員まで入場可
さらに、
・「大声あり」の場合は、収容人数の50%
・「大声あり」の場合は、十分な人と人との間隔(できるだけ2m、最低1m)を確保する
・「大声あり」の定義……
……「観客等が、(ア)通常よりも大きな声量で、(イ)反復・継続的に声を発すること」を「大声」と定義し、これを積極的に推奨する又は必要な対策を十分に施さないイベントを「大声あり」に該当するものとする。
<大声の具体例>
  ・観客間の大声・長時間の会話
  ・スポーツイベントにおいて、反復・継続的に行われる応援歌の合唱
 ※得点時の一時的な歓声等は必ずしも当たらない。

 一時的な歓声やヤジ、単発的な会話は「大声」に該当しないということか。

 今回の東京マラソン、主催者は参加人数をコロナ禍前の3万8000人からエントリーを2万5000人に制限し、その後65歳以上の人に対しては重症化リスクが高いとして参加を見送るよう求めた結果、6日の参加者はおよそ1万9000人だったという。
 さらに、一般ランナーは3回に分けてスタートしたが、それでも映像を見る限り、かなりの密だった。しかし、会話はなく、スタート後しばらくすれば、ある程度の距離が生じるので、マラソン自体が感染の要因になる可能性は低い。
 PCR検査も必須だった。

 しかし、いろいろと疑問(問題)はありそうだ
・イベント開催による感染拡大の危険は、イベント会場だけで生じるものではない。会場までの移動や、宿泊、飲食にも伴う。
 都知事が頻繁に使っていた「人流の抑制」とは逆の要素が拡大するのである。
・参加人数は2万人弱だったが、運営スタッフ(コース誘導・管理も含む)、中継や報道関係者、選手の身内などを含むと、相当数膨らむ
・PCR検査で陽性反応が出ずにすり抜ける感染者も一定数いる。さらに、検査後に感染するケースも考えられる。


 東京マラソン開催の感染拡大の危険性がどのくらいのものかは私には分からないが、幾ばくかの感染拡大の原因になるのは間違いない。
 それよりも、まん延防止措置の延長を求めた都の方針とは矛盾するマラソン開催は、まん延防止措置を遵守しようとする気持ちを薄めることになるのではないだろうか?
 
 イベント開催の今後の指標として、今後の新規感染者に東京マラソンとのかかわりの有無を調査していただきたい。
コメント (3)
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相棒 season20 第17話「米沢守再びの事件」

2022-03-04 16:30:29 | ドラマ・映画
ゲスト:六角精児
 久々の米沢さんの登場は嬉しかったが、「ゲスト:六角精児」という表記を見ると、複雑な思いになる。
 今回は、“鉄道マニア”&“鑑識姿”の米沢さんらしいエピソードであった。


【鉄道ファン、鉄道マニア】
 “マニア”という呼称は、そうでない人から《馬鹿にする》や《迷惑視》などよくない意味を伴うこともあるし、《ファンよりさらに熱意のある》特別視している場合もある。
 ちなみに、旺文社『国語辞典』では「あることに夢中になっている人」と定義している(古い辞書なので、「マニア」の意味合いが変異しているかも)

 鉄道ファンにも嗜好がいろいろある。
「撮り鉄」……列車など鉄道関係の画像や動画を撮影する
「乗り鉄」……列車の乗車や鉄道を利用した旅を楽しむ
「時刻表鉄」……時刻表を読み、旅行コースを組んで旅行を想定し楽しむ
「スジ鉄」……「時刻表鉄」が特化して、ダイヤグラムを組んだり分析する
「蒐集鉄(収集鉄)」……鉄道関係のアイテムや備品を収集する……そう言えば『相棒』でも蒐集鉄が犯人だったエピソードもあった
(他にもあるかもしれません)

 そのマニア心がヒートアップしてモラルを欠いた迷惑行為(犯罪)に及ぶ者を「くず鉄」と言う。
 撮るのに熱中して、軌道敷地内や私有地に侵入してしまったり、一般人の通行などを妨害するなど迷惑行為を行ったり、蒐集心のあまり窃盗に走る者などが例。


 今回の主役のひとりの米沢さんは守備範囲が広いが、「乗り鉄」に所属?しているのかな。
 もう一人は今泉(松浦祐也)
 右京は「“撮り鉄”もどきの”くず鉄”を装った“スジ鉄”」と表現。……ややこしい。

状況は……
・星川鉄道の廃線を進めたい運営会社と、沿線住民が立ち上げた“復活させる会”の間に軋轢が生じていた
・住民同士も激しく対立していた
・被害者の吾妻(藤本浩二)は廃線支持の中心人物
・吾妻と反目していた廃線反対派の旅館経営者・白川(野中隆光)に容疑が向けられた
・吾妻の遺体を発見した今泉が、白川が犯人だと思った(実は裏工作云々も知っていた?……後述)
・白川を庇い自分に容疑を向けるため、遺体や遺留品を星川鉄道のマークのオリオン座の位置に配置したり、自分をくず鉄の行為で逮捕されたりした
・白川を庇ったのは、庇った行為によって白川が立ち直ることに期待した
・今泉は末期がん(悪性腫瘍)で、自分の命を鉄道存続に使いたかった
・今泉から遺体発見個所を聞き、米沢が現場を徹底して検証。犯人の足型を採取(血痕も検証)
・犯人は鉄道事業本部長・松原玲子(中原果南)。白川が過剰な廃線反対行動は、それによって反対グループの弱体化(反対運動の会長は揉め事騒ぎで嫌気・弱気になっていた)を謀った松原の工作だった。
・裏工作を知り、詰め寄った吾妻を松原が殺害

今泉の描いたダイヤグラム
 実は今泉は、松原&白川の分裂誘導工作も知っており、白川が犯人でないことも分かっていたうえで、自分の白川を庇う行為によって、白川が改心し、廃止反対運動が盛り上がり、路線存続に繋がる……それが、今泉が描いたダイヤグラムだった

浅はかな事業本部長・松原
 強引に廃線を進めるイメージが悪いと考え、廃線反対派グループが分裂し自滅するよう裏工作をしたが、計画が露見するのを阻止しようと、殺人をしてしまい、自滅。
 「乗客数データより存続は成り立たない」「鉄道マニアも想いでは、経営はできない」など考えるのなら、存続派を説得できなくても説明会を何度も行えば、世間への言い訳にはなる。
 裏工作がうまくいくとは思えないし、白川への報酬がバレたり、白川にそのことで脅迫されるリスクもある。
 で、吾妻にばれたら、即、殺害! ナイフはいつも持っていたのか?凶器のナイフもその場で捨てるし…


 米沢さんの再登場、活躍は嬉しかったが、今泉の描いたヒストグラムは”絵に描いた餅”のようだし、裏工作もうまくいくとは思えないし、松原の殺人行為も短絡的すぎ
………残念なストーリーだった

 
 
第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
第14話「ディアボロス」
第15話「食わせもの」
第16話「ある晴れた日の殺人」

【ストーリー】番組サイトより
米沢守が鑑識として現場に復帰!?
鉄道をめぐる事件の捜査に乗り出す


 鉄道愛好家として、ある路線を訪れた米沢(六角精児)は、線路脇で遺体を発見。連絡を受けた右京(水谷豊)は、亘(反町隆史)と共に臨場する。
 遺体や凶器が沿線で見つかったことから、そこに何らかのメッセージがあると思われた。捜査から浮かび上がってきたのは、廃線の噂がある『星川鉄道』。米沢によると、廃線を進めたい運営会社と、沿線住民が立ち上げた“復活させる会”の間に軋轢が生じているという。被害者は廃線支持住民の中心人物で、運営会社にも脅迫メールが届いていたことから、廃線をめぐる対立が関係している可能性が高かった。
 そんな中、線路に侵入する騒ぎを起こした今泉(松浦祐也)という鉄道ファンが逮捕される。今泉は事件直前、遺体や凶器が見つかった現場に姿を見せていた。いっぽう、右京と米沢は、星川鉄道の地元で情報を収集。すると、廃線の是非をめぐって、住民同士が激しく対立していることが分かる。

殺人の動機は廃線をめぐる住民の分断!?
特命係と米沢が、数年ぶりに捜査でタッグ!
複雑に絡み合った事件の謎を解き明かす


ゲスト:六角精児

脚本:岩下悠子
監督:権野元
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鎌倉殿の13人 第8話「いざ、鎌倉」

2022-03-02 11:26:33 | ドラマ・映画
インパクトが強烈過ぎの義経(菅田将暉)
射止めたウサギを巡り、野武士と争う義経。遠矢で決着をつけることを持ちかける。野武士が射たのを見定めて、向き直り野武士を射る!……
唖然とする家来の前に、死体を踏みつけ、刺さっている矢を引き抜く義経。
「真っ向勝負で勝てたのでは?」という弁慶(佳久創)の問いに「無理無理~」と答え、
「富士山に登るぞ~」と駆け出す……


・ウサギ1羽の為に、何の恨みもない野武士を殺害
・しかも騙し討ち!
・命を奪ったこと、だまし討ちにしたことに、何の呵責もためらいもなかった。さらに、死体を踏みつける…
・命を奪ってまで得たウサギを放置して、富士山登頂を目指す……野武士、完全に無駄死

 勝つために一番確実な方法を採る
 良心や情けの余地はない
 目先の欲望に走る

先に矢を放った野武士を射抜く構えを見せ、退散させるという筋書きもあったが、脚本の三谷氏は残忍な義経を描いた。
残忍・冷酷さが義経の本質なのか、単に、無邪気で未熟なだけで、今後、変わっていくのだろうか……


今週の頼朝(大泉洋)  頼朝だなあ……
・源氏追討軍の第一標的となる武田信義(八嶋智人)が、頼朝からの共闘の申し出を断らないことを見越していた
 信義の使者は誰でも良かったのだが、敢えて時政 (坂東彌十郎)を向かわせたのは、頼朝を置き去りにして船で逃げ去った時政 への仕返しだった。
 時政も相変わらずの“いい加減さ”だった
・最大戦力を持つ重要視すべき上総広常(佐藤浩市)ではなく、見栄えの良い畠山重忠(中川大志)に先陣を任せた
 広常に背かれたら、頼朝軍は成り立たないが、そんなことはお構いなし……これが頼朝なのだろう
・鎌倉を本拠地として構築案を練る際、地理的視点で、父・義朝の為に現・寿福寺に祠を建て菩提を弔っていた岡崎義実 (たかお鷹)への義理を無視した
 地理的視点では正しい選択だろうが、岡崎義実に一言あるべきだった……これが頼朝なのだろう
・妻の政子との再会を一日延ばして、亀(江口のりこ)と情を通じる
  ……これが頼朝なのだろう

義時(小栗旬)と三浦義村 (山本耕史)
 誠実に人と向き合い、調整に苦労する義時を、冷静に策を講じる吉村がカバーする……いい関係だ(いつまで続くのだろうか……先の展開を知らないので、教えないでね)
 それにしても、この期に及んでも、伊東祐親(浅野和之)の助命を計る義時。
 「武衛」(兵衛府の唐名で、”佐殿”よりさらに高位な呼称)の意味不明さと「ぶえい」という響きを利用して、頼朝と広常らの仲を和らげる義村 の機転は見事。
 「武衛」を乱用する広常に首を傾げる頼朝の様も面白かった

大庭景親(國村隼)と伊東祐親(浅野和之)と梶原景時 (中村獅童)
景親……敗北は明らかだが、徹底抗戦する構え
祐親……やはり徹底抗戦。板東武者を見下し、娘を娶った頼朝が許せない
景時……景親に見切りをつける。“おめかし”したいという政子たちに協力。「頼朝は降参したものに寛容」という義時の言葉に表情を変える

第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」


【ストーリー】番組サイトより
挙兵した源頼朝(大泉洋)を討つため、追討軍を送る平清盛(松平健)。後白河法皇(西田敏行)は地図を広げ、丹後局(鈴木京香)らと戦況を占う。一方、奥州をたった源義経(菅田将暉)は、兄・頼朝との対面を夢見て歩みを進めていた。そのころ坂東では、上総広常(佐藤浩市)らを加え勢いを増す頼朝が、鎌倉を目指して進軍。頼朝の命を受けた北条義時(小栗旬)は、武田信義(八嶋智人)を味方に引き入れるため、再び甲斐へと向かう……

脚本:三谷幸喜
演出:吉田照幸
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第48期女流名人戦 第4局 里見女流名人-伊藤女流三段 (2022年2月24日)

2022-03-01 22:29:26 | 将棋
 第48期女流名人戦第4局 里見女流名人-伊藤女流三段(2022年2月24日)は、挑戦者の伊藤沙恵女流三段が制し、3勝1敗で女流名人を獲得した。
 里見、西山のツートップが強力で、9度目のタイトル挑戦で悲願の初タイトルとなってしまったが、伊藤女流の実力を考えると、遅い春だったように思う。年齢は違うが木村一基九段を連想する(7度目の挑戦で初タイトル)。加藤桃子女流三段の清麗奪取に続いてのタイトル奪取。



 第1図は第2局と同一局面。第2局では▲3八金だったが本局は▲2八飛。5筋の位取り中飛車を振り戻して2手損になってしまうが、後の5六の銀と3七の桂の形は、▲4五歩の仕掛けを見ている。その仕掛けの後押しとして4筋に飛車を転回させるというのが第2局の修正案なのだろう。
 となると、2八の飛車の位置と5八の位置は飛車を転回するのなら同等。
 もちろん、2八の飛車を→5八→2八→4八と動かすのは、効率が悪い。しかし、第二局のように金を3八へ上がらず。5八に寄せることができる(▲3八金としてから5八に寄せようとすると2手損となる)。金のスムーズ動きで、飛車の効率の悪さをカバーできていると考えることができる。


 先手の▲4五歩の仕掛けの機先を制するように、伊藤女流三段は△3五歩~△1五歩と仕掛けたが、解説の浦野八段は驚きを感じていたようだ(やや無理なのではと)。
 無理気味の仕掛けだと思われるが、実際は難しく、私レベルならすぐ先手が悪くなってしまいそうだ。
 里見女流名人は、後手の2筋突破を許す間に、▲4五歩から▲4八飛と4筋で動き、▲4四歩と取り込み△同角▲同飛△同銀と飛車角交換を果たした。△2七歩成の瞬間に▲2五歩と先手で後手の飛車を押さえる手が利き、先手の意が通ったように見えるが、後手もと金で桂を取る手があるので、難しそうである。
 △4四同銀に▲4一角と打ったのが第3図。

 この▲4一角では▲3四角も有力。実際、里見女流名人も迷ったという。さらに、▲5四歩と角筋を通して4四の銀取りを5三への成り込みを狙う手をどのタイミングで入れるかも悩ましい。
 ともかく、▲4一角を選択し、対して伊藤女流三段は△1三飛と逃げたが、「控室の検討では、☖4三飛の当て返しを本命視していた」(中継の解説より)と。
 △4三飛は▲3二角成でダメなのでは?と思ったが、私なりに考えるてみると……▲3二角成に△4二歩とするのが合理的なのではないかと。

 △4三飛は、飛車を端の僻地に避難させるより、中央で働かせたいという手だ。4四の銀に紐をつけ、あわよくば成り込みを果たしたい。
 しかし、△4二歩は飛角交換は厭わないというという意向は納得できるが、飛車取りを受けるだけの後手を引く手なので面白くないように思われる。だが、角を取る△4三同歩が手順に4四の銀に紐をつけるという仕組みで、なるほどの手だ。

 △1三飛に対し、里見女流名人は▲2四歩。
 浦野八段は「☗2四歩は、次に☗2三歩成☖1四飛☗1五歩で飛車の捕獲を狙っています。現局面から☖4三飛は歩突きを許したぶん損なので、☖1二飛として二段目で飛車を活用するのでしょうか」と解説しており、伊藤さんも☖1二飛と指した。しかし、△1二飛と引いたことによる弱点が後手陣に生じてしまった(それについては後述)ここでも△4三飛の方が良かった。
 △1二飛に里見女流名人は▲5四歩と角での銀取りに歩を突き、銀取りを受ける△4九飛と飛車を打った第4図。ここが分岐点だった。

「ここで▲6三角成と角を切り、△同銀に▲4五歩(変化図1)と打てば、先手優勢だった(銀が逃げると▲5三歩成がある)」とアユム氏が仰っていました。

 この順があるので、△1二飛と飛車の利きを5三から外してはいけなかったのだ。

 因みに、里見女流名人は
『里見の最初の読みは、代えて☗6三角成☖同銀☗5三歩成☖同銀に(1)☗4五桂や、(2)☗2三歩成☖7二飛☗4五桂だった。だが、(1)☗4五桂は☖6二銀と引かれる感触が悪く、(2)の順も☖7二飛と手順に固められる変化に自信を持てず、予定を変更したという。だが、このふたつの順を深く読み進めるべきだったと反省する。特に(2)の☗4五桂以下、☖6二銀☗1一角成☖3七とには☗6六馬がぴったりの馬引きだった。
「本譜はひどかったです」』
と局後話していたそうです(中継解説より)

 ▲2三歩成△6二飛の交換は▲6三角成に△同飛と取る手が生じ、かなりの損。里見女流名人の言葉通り「本譜はひどかったです」。


 さて、▲2三歩成で局勢を損ねてしまった里見女流名人だが、かといって、里見女流名人に対して勝ちまで持っていくのはなかなか大変だと思っていた。しかし、その後の伊藤女流三段の指し手は素晴らしかった。

 第4図以降、里見女流名人は3七の桂を逃げたり、▲3二角成から後手の桂香をを拾い、チャンスを窺ったが、第5図の△2二歩が当然の手筋とは言え、好手だった。

 ▲2二同馬と取ると△同飛と働いていない飛車と頼りの馬を交換されてしまう。かといって▲2二同とでは馬もと金も働かない(歩を取らなくても馬が働かない)。
 時が戻るが、桂香を拾わず2三のと金を3三~4三と働かせた方が良かったようだ。悪手となった▲2三不成を生かしたい。(でも、AI将棋では《前の手を活かす》という思考は必要ないので、AI君の嘲笑を受けるかもしれない)

 △2二歩以下、里見女流名人は端攻めに活路を見出そうとするが、伊藤女流三段は冷静かつ強気に受ける。

 図の△8四歩は▲同角と取られ、△8三銀には▲6二角成と手順に飛角交換をされてしまうが、恐れず踏み込んだ一着(実戦もそう進み、その後再度△8四歩と打ち桂を取り切った)。


 決め手となった角打ち。角ではなく△5三金打と飛車取りに打ちたくなるが▲4四馬△5三金▲6二馬△同金と進み、ここで▲7一銀や▲9三銀が相当うるさい(正確に指せば後手の勝ち)。また、▲4四馬に△同龍も▲同龍△同金に▲9三銀が強烈な銀打ちがある。

 伊藤女流三段の指した△5三角は▲4四馬なら△同龍▲同飛成に△同角が詰めろになる。詰めろでなければ▲9三銀が打てるのだが。(ここら辺りの変化は、アユム氏の解説を参考にしています。

 以後も強く正確に受けを続け、快勝。

 伊藤新女流名人、おめでとうございます!
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