フェイク……自分の仕事を奪われた氷室(渡部豪太)の才能を妬んだ一之瀬(冨田佳輔)が、氷室を潰すため、有明流家元で美術評論家の尾崎孝月(栗田芳宏)を脅して酷評させたり、栗原玲子(新実芹菜)に氷室と恋仲になったうえ失踪させ、ダメージを与え、それでもダメだったので、現婚約者の内田絵里奈(小池唯)を殺害した。
真相……氷室の才能に心酔した一之瀬が、悲哀や絶望の淵に突き落とすことで、氷室の創作を更なる高みに引き上げていた。
今回は一之瀬が絵里奈を痴情のもつれから殺害したと思わせ、裏切りと婚約者の喪失という二重の悲嘆を味わわせた。
右京も指摘していたが、氷室を潰すための行為なら、創作に燃えることを予測して、ユリなどの花を用意しないので、真相は想像できる。
……芸術は理解不能だなあ。
せめて、氷室の作品を見るための所業なら、まだ、分かるのだが、氷室を高みに引き上げるための行為。死んでしまっては、作品を観ることができない。
自分の命を捨てて、自分を憎ませる嘘をつく……無償の愛?。
絵里奈が本当に氷室を愛してしまったのも、一之瀬の筋書き通りで、彼女を殺害したのも、予定の行動だったのだろうか。
【その他の感想】
①「悪魔の仕業なんだ。奴はいつも、俺から大切なものを奪っていく……いつも、いつもなんだぁ」
……悲運、苦難、と言わず、“悪魔の仕業”と言うのが芸術家っぽいなあ。(若干、脚本家の作為を感じる)
②婚約者を失った後、創作意欲に駆られていたが、その後、家元の妻に刃物を向け、怒りと悲しみをぶつける……順番がおかしいのでは?
③氷室と婚約者が談笑している画像…婚約者はフィンガーズクロスを作っていた
フィンガーズクロス……幸運を祈る意味を持つが、裏の意味で、心にもないことを口にする時にバチが当たらない為のおまじないの時もある
右京は裏の意味でフィンガーズクロスを作っていたと解釈し、彼女の愛は偽りと推理したが、結婚式間近の画像で、この時には本当に氷室を愛していたはず。心にもない愛を語り合っていたというのには矛盾を感じる。
この“フィンガーズクロス”を説明するのに右京が
「青木君、僕は深く反省しています。
これほど優秀な君をこき使って、僕は間違っていました。
そうだ!今度お詫びに最高級のフレンチでもご馳走しましょう
………とまあ、こんなふうに心にもないことを口にする時に、バチが当たらない為のおまじないとしてフィンガーズクロスを背中に作ったりしますねえ」
と具体例を挙げ、青木がウガァとなったシーンは面白かった。
④家元の幼年者ヌード嗜好
犯罪に近いが、周知の事実となっていたようだ(奥さんも知っていた)。脅しのネタになるのだろうか?
⑤印象的な言葉
「花を用いた芸術は、ある意味、罪なんです。
植物にとって、一番自然なのは、誰にも摘まれることなく野山で命を全うする生き方です。
なのに僕たちは、花の命を絶ち切り、既に完成された美を破壊して、新しい世界を再構築している」
「花から本来の命を奪うことで、芸術としての新たな命を吹き込んでいる」
⑥事情聴取中、右京が家元を怒らせてしまった時、「怒っちゃったじゃないですかっ!」
と出雲(篠原ゆき子)が起こる素振りが可愛らしかった。
第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
【ストーリー】番組サイトより
人気芸術家の婚約者に必ず訪れる不幸
事件の背後でうごめく悪魔の正体とは!?
右京(水谷豊)は、小手鞠(森口瑤子)の誘いで、氷室聖矢(渡部豪太)というフラワーアーティストの展覧会を見学する。
氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、女性が氷室のオフィスで殺されているのが発見される。捜査一課が氷室を疑ういっぽう、右京と亘(反町隆史)は、氷室と十年来の仕事仲間だという生花の卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。ところが、取り憑かれたように仕事をする氷室に、聴取を遮られてしまう。
小手鞠によると、氷室の前のパートナーは3年前に謎の失踪を遂げていて、氷室が婚約者を失うのは、これで二度目だという。そんな中、氷室が高名な美術評論家の家に押し入る事件を起こす。評論家には、かつて氷室の個展を酷評し、活動に水を差した因縁があったが、「恨まれる筋合いはない」と憤っていた。
その頃、逮捕された氷室は、取り乱した様子で、婚約者の失踪と殺害は、「悪魔の仕業だ」とつぶやいていた。
天才アーティストに掛かる連続殺人の疑惑
フィアンセ失踪と殺害は悪魔の仕業!?
美しい花々と過去の事件が特命係を惑わせる!
ゲスト:渡部豪太
脚本:岩下悠子
監督:守下敏行
真相……氷室の才能に心酔した一之瀬が、悲哀や絶望の淵に突き落とすことで、氷室の創作を更なる高みに引き上げていた。
今回は一之瀬が絵里奈を痴情のもつれから殺害したと思わせ、裏切りと婚約者の喪失という二重の悲嘆を味わわせた。
右京も指摘していたが、氷室を潰すための行為なら、創作に燃えることを予測して、ユリなどの花を用意しないので、真相は想像できる。
……芸術は理解不能だなあ。
せめて、氷室の作品を見るための所業なら、まだ、分かるのだが、氷室を高みに引き上げるための行為。死んでしまっては、作品を観ることができない。
自分の命を捨てて、自分を憎ませる嘘をつく……無償の愛?。
絵里奈が本当に氷室を愛してしまったのも、一之瀬の筋書き通りで、彼女を殺害したのも、予定の行動だったのだろうか。
【その他の感想】
①「悪魔の仕業なんだ。奴はいつも、俺から大切なものを奪っていく……いつも、いつもなんだぁ」
……悲運、苦難、と言わず、“悪魔の仕業”と言うのが芸術家っぽいなあ。(若干、脚本家の作為を感じる)
②婚約者を失った後、創作意欲に駆られていたが、その後、家元の妻に刃物を向け、怒りと悲しみをぶつける……順番がおかしいのでは?
③氷室と婚約者が談笑している画像…婚約者はフィンガーズクロスを作っていた
フィンガーズクロス……幸運を祈る意味を持つが、裏の意味で、心にもないことを口にする時にバチが当たらない為のおまじないの時もある
右京は裏の意味でフィンガーズクロスを作っていたと解釈し、彼女の愛は偽りと推理したが、結婚式間近の画像で、この時には本当に氷室を愛していたはず。心にもない愛を語り合っていたというのには矛盾を感じる。
この“フィンガーズクロス”を説明するのに右京が
「青木君、僕は深く反省しています。
これほど優秀な君をこき使って、僕は間違っていました。
そうだ!今度お詫びに最高級のフレンチでもご馳走しましょう
………とまあ、こんなふうに心にもないことを口にする時に、バチが当たらない為のおまじないとしてフィンガーズクロスを背中に作ったりしますねえ」
と具体例を挙げ、青木がウガァとなったシーンは面白かった。
④家元の幼年者ヌード嗜好
犯罪に近いが、周知の事実となっていたようだ(奥さんも知っていた)。脅しのネタになるのだろうか?
⑤印象的な言葉
「花を用いた芸術は、ある意味、罪なんです。
植物にとって、一番自然なのは、誰にも摘まれることなく野山で命を全うする生き方です。
なのに僕たちは、花の命を絶ち切り、既に完成された美を破壊して、新しい世界を再構築している」
「花から本来の命を奪うことで、芸術としての新たな命を吹き込んでいる」
⑥事情聴取中、右京が家元を怒らせてしまった時、「怒っちゃったじゃないですかっ!」
と出雲(篠原ゆき子)が起こる素振りが可愛らしかった。
第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
【ストーリー】番組サイトより
人気芸術家の婚約者に必ず訪れる不幸
事件の背後でうごめく悪魔の正体とは!?
右京(水谷豊)は、小手鞠(森口瑤子)の誘いで、氷室聖矢(渡部豪太)というフラワーアーティストの展覧会を見学する。
氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、女性が氷室のオフィスで殺されているのが発見される。捜査一課が氷室を疑ういっぽう、右京と亘(反町隆史)は、氷室と十年来の仕事仲間だという生花の卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。ところが、取り憑かれたように仕事をする氷室に、聴取を遮られてしまう。
小手鞠によると、氷室の前のパートナーは3年前に謎の失踪を遂げていて、氷室が婚約者を失うのは、これで二度目だという。そんな中、氷室が高名な美術評論家の家に押し入る事件を起こす。評論家には、かつて氷室の個展を酷評し、活動に水を差した因縁があったが、「恨まれる筋合いはない」と憤っていた。
その頃、逮捕された氷室は、取り乱した様子で、婚約者の失踪と殺害は、「悪魔の仕業だ」とつぶやいていた。
天才アーティストに掛かる連続殺人の疑惑
フィアンセ失踪と殺害は悪魔の仕業!?
美しい花々と過去の事件が特命係を惑わせる!
ゲスト:渡部豪太
脚本:岩下悠子
監督:守下敏行
動機は「才能への嫉妬」ではなく、苦難を与え「すぐれた芸術作品を創らせるため」だった。
こういうラストの捻り方好きです。
>苦難を与え「すぐれた芸術作品を創らせるため」
そういう生き方はあるかもしれませんが、自分の命を落としてまでというのは、ちょっと…
しかも、その対象者(氷室)に憎まれてまでとは…。氷室は才能あるのかもしれませんが、人格的には…自分が犠牲になる気はしません。一緒に仕事するのは嫌です。
血縁者がいたら、かわいそうですね。“殺人者の血縁者”となってしまいます(ドラマで、そこまで考えるのは野暮ですね)
それはともかく、ちらっと見えた氷室の作品は素晴らしかったですね。
ちょっとバタバタしておりまして、コメントが遅くなりました。
真犯人が誰かということは早い段階で見当はつきますが、今回はホワイダニットに部分に焦点が当てられました。
その動機については、フェイクへの誘導が少々あからさまだったように思いましたが、犯人に真の動機を語らせず、それと予感させる形にしたのは、よかったのではないでしょうか。
脚本の岩下悠子氏は、Season7第4話『隣室の女』以来の久しぶりの担当でした。亀山期はけっこう担当していたのですが、神戸期以降はご無沙汰でした。
主題は面白かったですが、不満(疑問)も残るストーリーでした。
不満や疑問は本文に書いた通りですが、私の理解力が不足しているのかもしれません。
>その動機については、フェイクへの誘導が少々あからさまだったように思いましたが、犯人に真の動機を語らせず、それと予感させる形にしたのは、よかったのではないでしょうか。
右京も後手に回らせるという展開もありだと思います。
ただ、《婚約者を失った悲しみを、糧として創作する》ことを見越して、ユリを用意したという不合理を、右京ならもう少し早く気付くのではと、思いました。