真夏の白紫陽花と蜘蛛を見ていると香港シャツを着ていた高校時代を思い出します。
出席自由の特別夏期講習があると云われて、母親に背中を押されて、香港シャツを着て汗を拭き拭き学校まで行きますが、教室には入らずに、暫くトイレに隠れてから、使われていない木陰のある学校西口のコンクリート階段に腰かけて本を読んでいた季節です。何もかもをギブアップしたい思いがあふれていた年月でした。
家に置いてあった恐怖小説全集をケースから抜いて持って行って読んでいました。作り話を読んでいたのですからいわゆる学力は付きません。ただ好きなように時間を過ごしていました。このまま行くとどうなるのだろうと考えて行くうちにウトウトして気が付くと小さな蜘蛛がページの端にとまっていました。
何事もなくただ夏の時間をやり過ごしていた高校時代を思い出しました。
