カンボジア経済

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公共事業運輸大臣 韓国企業の低品質道路工事に激怒 契約取消処分

2021年06月18日 | 経済
 6月5日、国道3号線修復事業の現場を視察した公共事業運輸省のスン・チャントル大臣は、工事を担当している韓国企業の低品質工事を確認し、契約取消処分としたと発表しました。国道3号線のカンポット~ビールレン区間(54キロ)は、これまで韓国の支援と韓国企業の施工により改善されてきましたが、当初の施行の品質が悪かったこともあり、穴だらけとなっている状況でした。このため、今回は世界銀行の融資で、国際入札により韓国のKorea Consultants International (KCI)社に発注していました。今回の視察時点で、54キロのうち30キロの修復が実施されていましたが、視察の結果低品質工事が発覚し、契約取消処分となったものです。同時に、工事を担当していた次官も更迭されました。
 韓国や中国の企業による低品質工事は、カンボジアにおいて重大な問題となっています。スン・チャントル大臣は、各地の現場を視察して、低品質工事の防止に努めていますが、工事完成後1年も経たずに穴だらけとなる道路が散見されるのが実情です。工事中の国道2号線修復事業でも、今年1月に現場を視察したスン・チャントル公共事業運輸大臣は、工事の遅れや、長期間の使用に耐えうる品質確保について韓国企業を厳しく指導したとのことです。今般、大臣は、抜き打ち視察等を行って、技術基準に達しない工事が発覚した場合には契約取消等の処分を行うとして、全ての道路工事業者に強く警告したとのことです。
 日本は、「質の高いインフラ」をキーワードに、途上国のインフラ開発を支援しています。見かけの値段の安さや工期の短さに惑わされて、韓国や中国の企業に発注して痛い目に合っているのはカンボジアに留まりません。インドネシアの高速鉄道工事は、当初中国企業が2年半で完成させるとしていましたが、6年経った現時点でも完成の目途が立っていません。工事の品質管理や完成後の維持管理も考慮して、「質の高いインフラ」を完成させていくことが重要と見られます。
(写真は、激しく損傷している国道3号線。2018年12月撮影)

ブログ「カンボジア経済」2021年2月24日「現場訪問 国道2号線改修工事」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/dde434998f57ab54e2c4ce8999df1ce6

ブログ「カンボジア経済」2018年12月26日「カンボジア南部の旅 その3 カンポット」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/2ab176d21efc3dcdb7a43dc79814c8ae

ブログ「カンボジア経済」2012年12月1日「国道3号線の状況悪化」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/79cb272c6d5ff1707eb11fd72fa6ea41


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