カンボジア経済

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JETRO日系企業実態調査2023

2023年12月05日 | 経済
 11月29日、日本貿易振興機構(JETRO)は、「2023年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」を公表しました。2023年8~9月、北東アジア5カ国・地域、東南アジア9カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国の計20カ国・地域に進出する日系企業に対する現地での活動実態に関するアンケート調査の結果となります。有効回答は4982社でした。調査結果は、営業利益見通し、今後の事業展開、現地調達・輸出、投資環境、脱炭素・人権への対応、人材の雇用状況、製造業の自動化、現地市場開拓、賃金実態の9点にまとめられています。
 全体的には、「2023年の営業利益の黒字割合は62.4%、前年調査(65.6%)から低下。景況感は直近10年でコロナ禍の2020年に次いで悪かった。特に中国をはじめ、北東アジアで落ち込んだ。ASEANでも輸出志向の企業を中心に低迷。他方、インドは現地市場の需要増加に伴い好調だった。」と分析しています。また、「事業拡大を検討する企業の割合は、インドが75.6%と最も高かった。一方、中国は27.7%で、過去最低となった。」としています。
 カンボジアについては、景況感を示すDI値が2023年10.5,2024年43.1(20カ国中第4位)まで回復しています。今後1~2年の事業拡大意欲は、38.8%(前年53.3%)が拡大するとしており(20カ国中14位)、回復の一服感が示されています。カンボジアでの経営上の問題点としては、法制度未整備・不透明な運用、税制・税務手続きの煩雑さ、行政手続きの煩雑さ(許認可等)、現地政府の不透明な政策運営、人件費の高騰等が挙げられています。
 製造業・作業員の給与年間実負担額(本給、諸手当、社会保障、残業、賞与などの年間合計。退職金は除く。)は、カンボジアは3643ドル(前年3541ドル)となっています。中国1万3587ドル、タイ7698ドル、ベトナム4709ドル、ラオス2116ドル、ミャンマー1731ドル、バングラデシュ1665ドル等の周辺国と比べてみてもいまだに低いレベル(19か国中14位)にあります。周辺国の賃金が為替の変動(ドル高)で目減りしている中で、カンボジアはドル化経済のため影響が少なく、カンボジアの賃金の上昇が目立っています。しかし、カンボジアの相対的な低賃金は当面は維持されるものと見られます。
(写真は、日系企業が多数進出しているプノンペン経済特区)

JETROの発表
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/11/f0b745f226b9e3ab.html


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