カンボジア経済

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中国系の石炭火力発電所 シアヌークビル郊外のスタンハウで稼働

2022年11月08日 | 経済
 新聞報道によりますと、11月1日、シアヌークビル郊外のスタンハウで建設が進められてきたカンボジア華電西港発電有限公司の石炭火力発電所(350MW×2基)の最初の発電ユニットが稼働したとのことです。同日に、国営カンボジア電力公社(EDC)が求める全負荷性能テストに無事合格し、操業・発電を正式に開始しました。この発電所は、350MWの超臨界石炭火力発電ユニット2基、合計700MWでの設備容量で、カンボジア最大の火力発電所となります。付帯設備として、8千トン級石炭バース、および2千トン級重量バースも建設されています。
 2021年の電力供給の内訳は、国内での発電量が73.5%、ベトナム、タイ、ラオスからの輸入電力が26.5%となっています。国内の内訳は、水力45.0%、石炭火力45.7%、石油火力5.2%、太陽光発電3.4%、バイオマス0.8%となっていました。カンボジアも脱炭素を目指して、新規の石炭火力発電事業は認可しない方針であり、石炭火力発電の新増設はこれが最後となる見込みです。
 シアヌークビル港の北に位置するスタンハウには、石炭火力発電団地が形成されています。マレーシア系のCELは、当初の100MWに加えて東芝プラントが建設した150MWの増設が完成しています。また、中国系のCIIDGでは、これまで405MW(135MW×3基)の石炭火力発電所を完成させています。今回、更に700MWが加わることとなります。これまでは、日本の円借款で整備された230KVの送電線でプノンペン方面に送電されていましたが、電力需要の増大に対応して、スタンハウとプノンペンを結ぶ超高圧送電線(500KV)も建設中です。カンボジア初の500KVの超高圧送電線は、高速道路沿いで建設が進んでおり、完成間近と見られます。
(写真は、正式稼働前、10月17日撮影)



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