カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染がピークを越えて減少傾向となっていましたが、下げ渋っています。6月20日の保健省の発表によれば、死者は431名(6月13日から96名増)です。累計陽性者数は4万2711名(同4284名増)となっています。治癒数は3万7489名(同5631名増)です。先週の新規陽性者のうち、3942名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は342名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(6月20日現在陽性者4万952名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
フン・セン首相は、新型コロナ感染者と接触した可能性があるとして、6月19日から7月3日まで自己を隔離下に置くと発表し、この間のスケジュールをすべてキャンセルしたということです。また、プン・セン首相は、変異株が複数確認されてきたことに対し、変異株対策の強化を指示しています。
陽性者数が下げ渋っていることから、規制が再度厳しくなってきています。プノンペン都は、これまでも営業を禁止していた映画館、ジム、博物館、カラオケ等について、6月20日から7月3日まで禁止を延長しました。6月15日には、プノンペンの工場・企業における新型コロナの感染を抑制するための計画的な措置を発表し、更に厳格な対策を取ることを求めています。シェムリアップ州やコンポントム州では、酒類の販売・提供禁止が再度導入されています。
こうした中で、6月15日にプノンペンの公営市場は、営業が全面的に解禁されました。これまでは食料品店のみの再開でしたが、衣料品、雑貨等のお店も再開が許可されました。しかし、市場を訪れますと、シャッターが閉まっている店も散見され、長期にわたる閉鎖で廃業したお店や、再開が困難となっているお店もあるものと見られます。
ワクチンについては、中国製が続々到着しています。6月末までに更に200万回分が到着予定であり、7月には300万回分が到着予定としています。6月18日時点で、325万7857人への第1回接種を完了しており、2021年内に人口の62%に当たる1000万人への接種を完了するという目標は、11月中にも達成できる見込みであるとしています。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは終了したものの、新たな規制が導入されたり、州毎に状況が異なっていたりしますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、全面再開後のプノンペン・オールドマーケット。2~3割の店が閉まったままとなっています。6月17日撮影)
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