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カンボジア経済

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中国主導のメコン河協力首脳会議

2020年09月01日 | 経済
 8月24日、瀾滄江-メコン河協力第3回首脳会議がテレビ会議方式で開催されました。会議には、カンボジアのフン・セン首相、ミャンマーのウィン・ミン大統領、タイのプラユット・ジャンオーチャー首相、ベトナムのグエン・スアン・フック首相、ラオスのトンルン・シースリット首相、中国の李克強首相が参加しました。
 会議でフン・セン首相は、世界的な不況の中でこの地域における新しい成長産業を確保することが必要であると述べました。そのために、質の高いインフラ、連結性の強化、産業協力等への投資を促進したいとしています。また、越境貿易を促進し、地域的サプライチェーンの世界的バリューチェーンへの統合を強化すべきと主張しました。更に、科学・技術・イノベーションに関する協力の促進も、長期的な競争力強化に資すると指摘しました。
 中国は、最近のメコン川の歴史的渇水が中国のダムによるものだとの批判を受けて、メコン河上流(中国名:瀾滄江)の水文データを開示すると述べたとのことです。また、いわゆるマスク外交の一環として、「中国はメコン諸国が新型コロナを勝ち抜くために医療物品および技術支援をするなど、物心両面で積極的に協力する」、「中国が新型コロナワクチンを市販したなら、東南アジアの国々にまず提供する」と述べたとのことです。しかしながら、中国のワクチン製造能力は当面限られたものでメコン諸国にワクチンが来るのは相当先になると見られ、「空手型の乱発だ」との批判も聞かれます。
 米中対立激化の中で、中国は東南アジア諸国への影響力を強化しようとしていますが、各国は中国に偏り過ぎるわけにもいかないのが実情です。「親中国」の代表とも言われるカンボジアも、バランス外交に努める必要が高まりつつあるものと見られます。
(写真は、メコン河を渡るフェリー)


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