現在は、太陽の黒点数が最低期で、周波数の高い方はあまり期待出来ない。それに比べてこの時期にはアマチュアバンドで一番低い1.8MHz帯は遠くまで伝わるので遠い外国の局と交信するのには最適な時期でもある。何しろ波長が160mも有るのでアンテナを建てるにも基本的な最低限のアンテナを建てる事すら出来ない。 NHKのラジオ放送局のアンテナを見た事がある人は居るだろうか? 例えば近い所で郡山にはNHKとラジオ福島の送信所があるが、何十メートルもの巨大な高さのアンテナが立っている。あれだって実は基本型を短縮しているんだが、1.8MHz帯のアンテナをまともに作ると凡そあの形と大きさになる。個人の敷地に作るには手に余る大きさなのだ。しかし、アマチュア無線家はそれを工夫して何とか電波が出る様にして居るのだ。しかしこの周波数帯には都市雑音がまともに影響して電波は出せても受信電波が雑音に埋もれて何も聞こえないのが悩みの種だ。そこで送信用とは別に、雑音の影響の少ない受信専用アンテナを作っている。これが利得が小さいのでプリアンプ (プースターと言えば分かり易いと思う) を作って利得を補うことを考えた。
2月のある日、手軽に利得の得られる広帯域アンプを最初に手掛けてみた。約20dB(10倍)の利得が得られた。使ったトランジスタは、第3次歪みに強い高周波用のパワートランジスタ2SC1426、抑圧混信に配慮した定評のあるトランジスタを宝箱から引っ張り出して取り付けた。
右側の金属の箱がプリアンプです
これをマッチングボックスに組み込んで鉄塔の上に取り付けて実際に稼働してみたのだが、利得は充分に得られたが同時に周辺周波数から受ける抑圧で雑音も増えてしまった。或程度想像していた結果なのだが「ものは試し」とやってみた結果なので仕方がない、改めて次の手を考えるしか無い。 今度は広帯域を止めて、入出力に同調回路を持った帯域増幅器に挑戦した。既に28MHz帯や、50MHz帯などで実績の有る2SK125と言う電界効果トランジスタを使った回路で製作した。しかし、この様な低い周波数帯では回路定数の問題などで思った様な増幅度が得られない。今回も色々と調整してみたが約6dB(2倍)程度の利得しか得られなかった。実用に供するには程遠い結果で落胆しきりである。今回は敗北を認めざるを得ず。次なる作戦に暫く休戦を余儀なくされて中断を決めた。無念!!
広い敷地とビッグアンテナを建てる資金が有れば苦労しないのですが貧乏人はお金の掛からない頭を使うしか方法が無いので・・・・徒労、徒労の日々です(笑)